次世代デジタル道路情報委員会
取組みの経緯
ITS Japanは、「次世代デジタル道路地図研究会」を2004年4月に立ち上げ、走行支援サービスを実現するために必要となる地図データの要件などを『次世代デジタル道路地図の実現へ向けた提言』としてまとめ、2005年8月に公表しました。本提言がひとつの契機となり、産学官の様々な主体における関連の活動が開始されました。
これを受け、2007年5月にITS Japan内のプロジェクト型委員会として「次世代デジタル道路情報委員会」を発足させ、2008年4月に、『安全・環境に資する走行支援サービス実現のための道路情報整備と流通に向けた提言』をとりまとめ公開しました。
本提言では道路情報を流通させるための共通基盤として、「道路の共通位置参照方式」と「高精度デジタル地図」を提案しました。
また、産学官で必要となる取組みについて①サービス、②共通基盤、③道路情報、④災害情報 に区分し、実現シナリオ(アクションプログラム)を提案しました。
本提言の公開以降、上記2つの共通基盤の構築および、共通基盤を活用した情報流通の実現へ向けて、関係機関等への働きかけなどの活動を継続して行ってきました。
その結果、2010年度に共通基盤の構築が具体化し、共通基盤を利用した道路に関連する情報の流通が可能となりました。よって本委員会の設置目的は達成し、本委員会は2010年度で終了となりました。走行支援サービスの実現に向かっては、道路に関連するさまざまな情報の利用の具体化が必要であり、走行支援サービス提供者による検討が待たれるところです。
2011年度からは、新たな委員会を設置し、様々なITSサービスが利用する道路関連情報の流通を具体化し、ITSサービスの実現を支援すると同時に、道路情報基盤に集められた様々な道路関連情報(静的情報、動的情報、災害情報、交通結節点情報)の共有化、相互利用を促進する活動を行なっていきます。
2009年度の活動 (報告書はこちら)
2009年度は以下の活動をおこい、活動報告書としてまとめ、関係省庁へ民間の目指す方向として報告を行いました。
- 実証実験・実用化が進む走行支援サービスの整理と分類を行い、各走行支援サービスが必要とする道路情報とその管理者をまとめた。更にそれらのサービスの実現により創出される効果についての整理を行いました。
- 提言書で道路情報流通のための共通基盤として提言した、「道路の共通位置参照方式」について、国土交通省国土技術政策総合研究所(国総研)及び(財)日本デジタル道路地図協会(DRM協会)が主体となって整備を進め、サンプル試作と評価を行い最終整備仕様を決定しました。
- 走行支援サービスの実現へ向けた国内の関連主体における活動状況を整理し、想定される様々な走行支援サービスのイメージや効果を具体化し、諸外国の新たな動き、特に欧州の動向を整理した上で、今後必要となるアクションをとりまとめました。
2010年度の活動 (報告書はこちら)
2010年度は、次世代デジタル道路地図の実用化への道筋のめどをつけることを目標とし活動しました。
- 共通基盤(道路の共通位置参照方式、高精度デジタル地図)について、実用化へ向けた初期整備の完了と運用体制の具体化のフォローを行いました。
その結果、「道路の共通位置参照方式」は国総研、DRM協会が主体となって整備を進め、県道以上の道路(総延長距離20万km)の道路IDのテーブルが慨成しました。「高精度デジタル地図」は、国総研が「道路基盤地図情報」の整備を進め、2010年12月に試行提供を開始しました。 - 2009年度の活動で整理した走行支援サービスが利用する道路情報の流通の可否を具体的に明らかにするため、「道路情報の流通検証ワーキング」を設置し、高速道路会社の協力により検証作業を行ないました。
- 公共交通や電気自動車へのシフトが重要な課題となっています。「移動支援サービスへの対応検討ワーキング」を設置し、マルチモーダルな移動支援やEV・PHVなど新たな自動車への対応についてのデジタル道路情報に関する課題の検討を行いました。
- 2009年度に引き続き、東京大学空間情報科学研究センター(東大CSIS)と連携しました。また災害情報流通については、iフォーラムとの連携を継続して行ないました。標識・規制情報の流通についても、関係機関にて交通規制データの作成・流通の効率化を検討する研究会の立ち上げの動きがあり、その準備会への参加要請を受け、対応しました。
上記のように、走行支援サービスを実現するために必要となる道路情報流通の仕組みの検討と具体化、関係主体への提案を行うという、本委員会の役割は達成できたため、本委員会の活動は2010年度をもって終了いたします。なお2011年度からは、各種ITSサービスが利用する道路関連情報の道路情報基盤による流通を具体化し、ITSサービスの実現を支援すると同時に、道路情報基盤に集められた様々な道路関連情報(静的情報、動的情報、災害情報、交通結節点情報)の共有化、相互利用を促進する活動を行っていきます。
資料のダウンロード
「安全・環境に資する走行支援サービス実現のための 道路情報整備と流通へ向けた提言」
(2008年4月) <PDF:1,870KB>
「2008年度の次世代デジタル道路情報委員会活動報告」
- 次世代デジタル道路情報委員会活動報告書(2008年度)」(2009年5月) <PDF:1,870KB>
「2009年度の次世代デジタル道路情報委員会活動報告書」
- 2009年度次世代デジタル道路情報委員会報告書_本文<PDF:1,447KB>
- (参考1)2009年度委員会報告書_委員名簿<PDF:23KB>
- (参考2)各社・各グループにより実証実験、実用化が進む走行支援サービスの例<PDF:3,195KB>
- (参考3)次世代デジタル道路情報勉強会<PDF:56KB>
「次世代デジタル道路情報委員会 勉強会」 2009年7月24日 場所:株式会社三菱総合研究所AVルーム
- 講演プログラム(PDF:57KB)
- 次世代デジタル道路情報委員会の取り組みについて<PDF:999KB>
- 地方自治体からの問題提起
- 岐阜県における道路情報の現状<PDF:1,096B>
- 三重県における地理空間情報活用の課題<PDF:1,726KB>
- デジタル道路地図の新しい役割を目指して<PDF:608KB>
- 道路基盤地図情報について(PDF:1,973KB)
- 「道路更新情報流通推進研究会」の活動について<PDF:1,870KB>
「次世代デジタル道路情報委員会 報告会」
2011年3月16日に開催を予定しておりました「次世代デジタル道路情報委員会報告会」につきまして、委員会活動報告関連のプレゼンテーション資料をとりまとめました。報告会の実施に代え、資料を掲載いたします。(本報告会は、東日本大震災の影響により中止となりました。)
資料掲載ページはこちら。
「2010年度の次世代デジタル道路情報委員会活動報告書」
- 2010年度次世代デジタル道路情報委員会報告書_本文<PDF:1,598KB>
- 道路情報流通検証WG 報告書<PDF:10,333KB>
- 移動支援(マルチモーダルサービス)への対応検討WG 報告書<PDF:1,102KB>
イベント情報
「第10回公開シンポジウム ”真の流通を目指せ~サービスイノベーションを支える社会基盤情報の流通~”」【実施済み】
ITS Japanの「次世代デジタル道路情報委員会」は、2010年7月27日に東京大学空間情報科学研究センター(東大CSIS)との共催で、公開シンポジウムを開催しました。ITS Japanからは午後のセッションで、次世代デジタル道路情報委員会の活動状況を報告し、その後引き続いて、関係団体の方々からの道路情報流通への取組み状況の講演や、次世代カーナビの標準化動向等に関する講演 及びパネルディスカッションを行いました。 講演プログラム、講演資料にはこちらからどうぞ。
報告資料/関連資料(会員限定ページ)
活動報告書、委員会報告書などを、会員限定ページに掲載しています。