ITSの潮流 2024年版
<概要>
- 昨年の年次レポートでは“ITS のグローバル動向” について、日米欧の概要及び日本における変化点について、整理してみたが、2024 年版では各国・地域における中(長)期視点を中心としたITS施策について中国も含めて触れてみたい。
- 欧州では、EC 全体の重点施策、その中の“ 環境戦略”・“ デジタル戦略” に貢献すべく、自動運転をはじめとする交通分野における施策の具体化がされている。またそれは非常に体系化されている。
- 米国では、USDOT(米国運輸省)が“Strategic Plan2022 − 2026” を策定・展開しており、その中では、昨今米国にて増加している交通事故死者数の増加を背景として、安全を第1番目に取り上げている。
- 中国では、2019 年に国務院より中国の交通事業の中長期発展計画である「交通強国建設綱要」が発表されている。そこでは【第1 段階】として、2035 年までの交通強国の地位確立、【第2 段階】として、その後2050 年に向けた世界トップレベルの交通強国の建設という目標が置かれている。そして、それを具体化するための交通施策が中期計画として策定されている。
- 日本では、交通に関する施策を総合的・計画的に定めた中期計画を交通政策基本計画(第2次:2021年~ 2025年)として、国土交通省が策定、閣議決定されている。
また、自動運転に焦点を当てた施策として、内閣官房(現デジタル庁)が2015 年より取りまとめ、毎年update されてきた「官民ITS 構想ロードマップ」が2021 年で終了。2022年「モビリティ・ロードマップのあり方に関する研究会」を経て、昨年2023 年より「モビリティワーキング」がスタート。そこでは、“自動運転の社会実装”に焦点があてられている。