ITSの潮流 2019年版

<概要>
 自動車の電動化、ネットワーク化、自動運転など新たな技術革新の波が押し寄せる中で、
“Connected and Automated Driving”(CAD)や“Mobility as a Service”(MaaS)という
キーワードに代表される統合的移動サービスの実用化が世界中で大きなテーマになってい
る。技術そのものについても研究開発課題が残されており、次々に生まれる新技術をどの時
期にどのように選択するかといった方向性についても不確実性が残されている。また、技術
課題が近い将来解決するとしても、組織間の連携やビジネスモデルの構築、制度整備など、
社会として新技術を有効活用するための仕組みづくりも実用化の前提条件である。さらに、
これからの革新的技術は単にシステムの性能や効率を高めるだけではなく、ライフスタイル
や社会活動の構造に変革をもたらす潜在的可能性があり、負の側面にも目を向けて社会全体
として適切に受け入れるための合意形成を行う必要がある。国際的にも社会的影響評価と受
容性醸成に論点が移りつつある。本稿では、社会的側面に目を向けて、自動運転や統合的移
動サービスの実用化に向けた潮流を追う。

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