第8回ITS世界会議シドニー2001
第8回ITS世界会議シドニー2001が2001年9月30日(日)から10月4日(木)までの5日間、オーストラリア シドニーで開催されました。
21世紀最初の、また南半球で初めてのITS世界会議でした。
会議3週間前の9月11日に米国で同時多発テロ事件が起こりましたが、大会組織委員会は世界会議を予定通り開催すると決定し、若干の参加者の減少等はありましたが大会そのものは予定通り開催され、成功裡に終了しました。参加登録国数は46カ国で、日本からの参加者は600名以上と今年も日本が最大でした。
開催概要
【会期】 2001年9月30(日)~10月4日(木)
【場所】 Sydney Convention&Exhibition Center
【会議テーマ】 ITS-Transforming the Future
【参加国/地域】 46
【参加者】 3,818名
【会議登録者】 2,121名
【出展数】 166
【セッション数】 110
【論文数】 500
歓迎式典
9月30日(日)の17:30より1時間にわたりコンベンションセンターのハーバーサイドオーディトリアムで約1,000名を集め歓迎式典(Welcome Celebration)が開催されました。アボリジニの音楽と舞踊、タップダンス、小学生のコーラス、動物(羊・馬)の登場と工夫をこらしたイベントで歓迎の意が表されました。
歓迎式典ではオーストラリア上院議員兼通信情報技術大臣のリチャード アルストン、中原恒雄ITS Japan副会長、ルクランマッキントッシュITSオーストラリア会長の挨拶がありました。
開会式
10月1日(月)の10:00から歓迎式典と同じくハーバーサイドオーディトリアムで1,000名以上が集まって開催され、大会組織委員長のコリン ジェンセン(ITSオーストラリア副会長)が司会進行を行いました。
ジョン アンダーソン副首相兼交通・地域サービス大臣、マックス レイ(ロイヤル・オートモービル・クラブ会長)に続き越正毅ITS Japan副会長、日本政府代表として警察庁の熊崎義純参事官の挨拶がありました。他にも中国、韓国、マレーシアはじめ8名の方々が挨拶に立たれました。
展示
今回の展示の概要は次のとおりです。
- 展示会場面積 15,000(昨年の1.5倍)
- 展示小間数 500小間(単位:3m×3m)
- 出展会社・団体数 166社・団体
日本の展示ブースは全般的に良いデザインで展示場の中でも目立っていました。最多出展国は地元オーストラリアで、オーストラリアの大学・自治体・研究所のブースも多く出ていました。
日本の企業・団体からは次の19社・団体から出展がありました。
アイシン精機(株)、アイシンエィダブリュ(株)、ITS Japan、(財)VICSセンター、
オムロン(株)、(社)新交通管理システム協会、住友電気工業(株)、(株)ゼンリン、
ダイハツ工業(株)、(株)デンソー、(株)東芝、(財)道路新産業開発機構、
トヨタ自動車(株)、日産自動車(株)、日本電気(株)、Panasonic、
(株)日立製作所、富士通(株)、三菱電機(株)、矢崎総業(株)
(以上50音順)
エグゼクティブセッション(ES)
参加者が従来に比べ少なかったにも関わらず、セッションの聴衆の”入り”は良く、熱心に聴講、議論する姿が多く見られました。ESは合計12セッションが行われ、ES1は一部ビデオ上映が入るセッション、ES12はディベートが組み込まれるなど、新しい試みが見られました。日本からのES登壇者は以下のとおりです。
- ES1 ITSの最新状況:中原ITS Japan副会長
- ES3 ITSのビジネスケース:堀口室長(経済産業省)
- ES4 インテグレーション社会的法的制度的問題:熊崎参事官(警察庁)
- ES5 ITSとeコマース:川嶋教授(慶応大学)モデレータ,雨宮室長(総務省)
- ES6 ITSでの安全政策:四倉課長(国土交通省自動車交通局)
- ES7 ITSと環境:山田センター長(国総研)
- ES12 ITSは都市交通での自動車実用化後の最大変革か?:池内教授(東大)モデレータ
スペシャルセッション(SS)、テクニカルセッション(TS)
SS、TSには若干のセッションキャンセルが出たが大きな影響はありませんでした。TSでは約500論文の発表がありました。
閉会式
英国E サンプソン氏が大会を総括し、越ITS Japan副会長から大会成功の祝辞がありました。恒例のパッシング ザ グローブが行われ、次回開催のシカゴへ”地球儀”が手渡されました。
次回以降の世界会議のPRとして、名古屋紹介のビデオを始めとしてマドリッド、シカゴの紹介ビデオが上映されました。
今回の世界会議の特徴
米国同時多発テロの影響で組織委員会によれば参加者が当初予定より20%程度減ったと想定されるとのことでした。その意味で今回の参加者はそれぞれの立場で意欲を持って参加した熱心な参加者だったと思えます。
例年に比べ、スペシャルセッション、テクニカルセッションとも参加者が多く熱心に聴講するともに積極的なディスカッションが多く見られました。
セッションの手法として、従来の発表型からディベート型(意見交換型)のセッションが多くなる傾向にある。それだけ論議の内容が多様化していることと思われます。またITS Japanで企画した、事前の国内発表会で発表された何名かの方からは大変良い練習効果があり有益であったとの感想が寄せられました。
展示内容は昨年からのテレマティックス等の応用が比較的目立ちました。日本のITを中心とした展示が目をひきました。
今回の大会に見るITSの動向としては、これまでの継続と言う感じがしました。日本以外でITSがどのように進捗しているかについては、インフラや公共交通を中心に確実に裾野をひろげており日本のデバイス中心の進め方とは違う印象がありました。特にオーストラリアは社会インフラとしてのITSの推進に熱心ですが、技術は裏方であり必ずしも表に見えるものではありませんでした。
大会全般としては祝賀式典、VIPディナー、コングレスディナー等の行事に趣向が凝らされ、全般に参加者に対するホスピタリティの行き届いた大会でした。
第11回ITS世界会議(愛知・名古屋2004)に関して
毎日無料配布された会議の速報紙であるDaily Newsに第11回世界会議(愛知・名古屋2004)の広告を掲載し、ES1でのスライドPR、閉会式でのビデオ上映等を行いました。
また名古屋城をデザインしたピンバッジを配布しましたが、これが大好評を博しました。 これらから2004年世界会議に対する認知度を向上することができたと思われます。
多くのみなさまのご参加ありがとうございました。御礼申し上げます。