第16回ITS世界会議ストックホルム2009

 

第16回ITS世界会議ストックホルム2009が2009年9月21日(月)から9月25日(金)までスウェーデン ストックホルムで開催されました。主催国のスウェーデンが本年後半のEU議 長国なこともあり、同時期にストックホルムで開催された「EU運輸大臣非公式会合」に伴い、欧州各国の運輸大臣が招待されました。また、会議全体を通じて環境およびマルチモーダルへのITSの貢献に焦点があてられました。

詳細を会員ページの「ITS Japan News No.176」に掲載しています。

開催概要

【会期】 2009年9月21日(月)~9月25日(金)
【会場】 Stockholmsmassan (Stockholm International Fairs)
【会議テーマ】 ITS in Daily Life
【参加国/地域】 64
【参加者】 8,512名
【会議登録者】 2,801名
【出展数】 254
【セッション数】 118
【論文数】 990

開会式

■9月21日(月) 14:30~15:30(Warm Welcome 13:30~14:30

ジャーナリストのメリンダ・クレイン氏の司会により欧米アジア3極の会長および主催国代表からウェルカムスピーチが送られました。

  • 登壇者:
    • 主催国:スウェーデン産業エネルギー情報通信省通信担当大臣アサ・トルステンソン
    • 欧州:ERTICO ギュンター・ジマーメイヤー会長
    • AP:ITS Japan 渡邉浩之会長
    • 米国:ITS America Michael Huerta会長

セッションプログラム

プレナリーセッション

ミニストリー/インダストリー ラウンドテーブル: ”Economic Growth with sustainable climate response”
10月21日(月)15:30~17:00

開会式に引き続き、メリンダ・クレインの司会で閣僚セッションが行われ、主催国、スポンサー企業、3極の代表の5人の講演に続き、ラウンドテーブルセッションが行われました。

  • 登壇者:
    • 欧州:スウェーデン産業エネルギー情報通信省通信担当大臣アサ・トルステンソン
    • 欧州委員会:副委員長/運輸担当委員 ヨハン・フリードリッヒ・コルスマン
    • 欧州:エリクソン上級副社長 ハカン・エリクソン
    • 米国:米国運輸省研究・革新技術局(RITA)局長 ピーター・アペル
    • AP:日本 長官官房審議官(交通局担当) 深草 雅利 審議官
    • 米国:ITS America マイケル・フェルタ会長
    • AP:日本 トヨタ自動車株式会社 渡邉 浩之 技監

インダストリー/ミニストリー ラウンドテーブル:”Future Transport- a multimodal challenge.ITS solutions ensuring environmental friendly transport”
10月22日(火)9:00~10:30

2日目は今回の世界会議組織委員長でもあるスウェーデン道路庁長官Ingemar Skogoを司会に迎え産業界を中心にしたプレナリセッションとラウンドテーブルが行われました。

  • 登壇者:
  • 欧州委員会:欧州委員会研究総局次長Zoran Stancic
  • 欧州:
    • スウェーデン Volvo社CEO Leif Johanson
    • 英国 Logica社CEO Andy Green
  • 米国 Telvent Ferradyne社 President, Lawrence Yermack
  • AP:韓国高速道路会社社長Lieu, Chull Ho
  • 欧州:スウェーデン貿易産業省副大臣Leif Zetterberg
  • AP:中国 ITS China会長 Zhongze Wu
  • 米国:サンフランシスコMetropolitan Transportation Commission 事務局長Steve Heminger

エグゼクティブセッション

10月22日(火)~25日(金)全14セッション

官・民・学の有識者がITSの効果・問題・課題などを取り上げ、政策や戦略を議論しました。

各セッションのテーマと日本から登壇した方々は以下の通りです。

  • ES01:「エネルギー効率化と気候変動を緩和のためのITS」
         辻本 圭助 経済産業省製造産業局 自動車課電池・次世代技術・ITS室長
         津川 定之 名城大学 教授
  • ES02:「物流とマルチモーダル輸送」
  • ES03:「ITS普及の壁を取り除く」
         天野 肇ITS Japan専務理事
  • ES04:「都市のモビリティ」
  • ES05:「協調システムのための共通アプローチにむけて」
         島 雅之 国土交通省自動車交通局技術安全部技術企画課国際業務室長
  • ES06:「モビリティに資するGNSSのアプリケーションとサービス」
         中島 務 財団法人 衛星測位利用推進センター 専務理事
  • ES07:「協調システムのアプリケーション開発:安全と環境への切り札」
         井上 剛志 警察庁 長官官房 参事官
         森川 高行 名古屋大学 教授 (モデレータ)
  • ES08:「将来のITS通信のための政策・戦略・標準」
         坂中 靖志 総務省総合通信基盤局 電波部移動通信課
         新世代移動通信システム推進室長
  • ES09:「ITS市場とマーケティング」
  • ES10「ドライバーの注意散漫について」
         須田 義大 東京大学 教授
  • ES13:「実証実験を活かすために」
         竹村 晃一 内閣官房 IT担当室 内閣参事官
         天野 肇    ITS Japan専務理事 (モデレータ)
  • ES14:「路車・車車協調サービス普及の課題」

スペシャルセッション

■9月22日(火)~9月25日(金) 全72セッション

各地域の専門家が研究・実用段階のITSに関する個別のテーマについて深く掘り下げ、最新の技術や施策を議論しました。日本からが以下のセッションが企画されました。

SS49:「路車協調システム実用化にむけたアプローチ」(警察庁)

  • SS50:「車両安全の通信技術の開発について」(総務省)
  • SS56:「エネルギー ITS」(経済産業省)
  • SS53:「インフラ協調システムの国際的な課題」(国土交通省道路局)
  • SS51:「地方道路での車車・路車協調アプリケーションについて」(日産自動車株式会社)
  • SS54:「安心で持続可能な都市交通システムの実現にむけて」(ITS Japan)
  • SS55:「効率的な物流のための技術と制度の革新について」(ITS Japan)
  • SS57:「アジア太平洋地域各国のITS報告」(ITS Japan)

他 にも日本のITS関係者が多数登壇しました。

論文

■Technical・Scientific Session/Forum Session/Interactive Session

延べ811編の論文が発表されました。

  

論文CDのお申込みはこちらの申込用紙をご利用下さい。

PDF形式 (108KB)

展示

■9月22日(火)~9月25日(金)

254に上る出展団体が集まり、期間中3,398人が来場しました。

公式リボンカッティングセレモニー

■9月22日(火)10:40~11:05

開会二日目の”Industry/Ministry Round Table”の後に展示会場の開場セレモニーが行われました。
日本からはITS Japan渡邉浩之会長、警察庁深草雅利審議官が参列しました。

日本館ブースのオープニングリボンカッティングセレモニー

■9月22日(火)9:30~9:45

公式リボンカットに先立ち、日本館ブース(ITSJapan、HIDO、VICS、NEXCO、道路局、ORSE、UTMS)において、出展のお礼と成功を祈念し開館リボンカットを行いました。
日本館は、昨年のITS Japanブースと比較すると、来場者が倍増しました。これは、入り口近くの位置の良さに加え、統一館としたことで、大きく、広くなり、目だったことなどが上げられます。なお、日本全体では16団体9ブースが出展しました。

デモンストレーション

屋内外で以下のデモがおこなわれました。

  • #1:体験パーク ”リトル・スウェーデン”(屋外)
  • #2:マルチモード物流(屋外)
  • #3:合同交通管制(鉄道・道路・海・民間航空管制のジョイントデモ)(展示会場内)
  • #4:路車・車車通信デモ(欧州プロジェクト”SAFESPOT”,”CVIS” and “COOPERS”)(屋外)

デモンストレーション・シアター(展示会場)

テクニカルビジット

  • #1:”Kista” サイエンス都市視察 (Kista:ストックホルム北西にあるICTクラスター)
  • #2:ストックホルム公共交通安全管理センターと視力障害者向け歩行者ナビ(e-Adept)デモ
  • #3:Safe and Secure(Citybananシテュバナン線建設現場視察)
  • #4:Trafik Stockholm交通管制センター
  • #5:公共交通情報
  • #6:インテリジェントパーク&ライド
  • #7:サウスリンクトンネルナイトビジット(道路維持管理)
  • #8:Scaniaデモセンター(トラック-Scaniaと鉄道-Bombardier)
  • #9:”VECTUS” パーソナルラピッドトランジット
  • #10:ITS物流管理視察
  • #11:高速鉄道“Grona Taget”デモ乗車

プレ・コングレスツアー

  • #1:”VTI”視察(交通研究機関:Driving Simulator etc)
  • #2:Mariehamnクルーズ

ポスト・コングレスツアー

  • #1:オスロITS視察
  • #2:ヘルシンキITS視察
  • #3:マルメ・コペンハーゲンITS視察

GALAディナー

■9月23日(水)

Gala Dinnerは ノーベル賞授与式晩餐会会場でも知られるストックホルム市庁舎で行われました。冒頭Hadar Cars副市長から祝辞が送られ、多くの参加者がネットワークを広げる場となりました。

 

閉会式

閉会式ではストックホルム市がこども達に募集した「未来のITSアイディア大賞」の授与式が行われ、受賞者に賞金が渡されました(1位賞金:5000クローネ)。
またストックホルムITS世界会議組織委員会委員長、インゲマル・スコーゴーが今回の世界会議に関して 「多様 な輸送モードの取り込み」や「官民協働やMOU締結など国際協力の重要性の再確認」についての成果があったと総括しました。2010年以降の世界会議のPRの後、パッシングザグローブセレモニーで地球儀が釜山に引き継がれ無事に閉会しました。