第3回ITS世界会議オーランド1996

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第3回ITS世界会議1996が1996年10月14日(月)から18日(金)までの5日間、米国フロリダ州オーランド市にて開催されました。
今回は、欧、日、米と3極における世界会議が一巡し、米国ではISTEAが1997年に一区切りを迎え、従来の研究開発を中心とするフェーズから、実用配備に向けて移行する転換期に当たり、時期の上で一線を画せる特徴をもった会議といえます。全体的な印象として、実務的で実質本意の運営に変わったと感じました。

 

日本より約600名、そのうち日本政府からも関係者約50名の参加を得て、日本のITS推進の熱意を世界会議に強く印象づけました。アジア、特に韓国からの参加が増えています。欧州も700名と参加者が多く、ERTICO関係者は1997年の第4回ベルリン会議のPRを熱心に展開しておりました。今回事務局からは、田中、石、服部が参加して、VERTIS事務局を現地に設置し、プログラム委員会の桑原委員長、藤井委員、山本委員の協力を得て現地での運営を行いました。 第3回ITS世界会議1996

開催概要

開催概要

【会期】 1996年10月14日 ~18日
【会場】 Orange Country Convention Center
【会議テーマ】 Realizing the Future
【参加国/地域】 37
【参加者】 5,000名
【会議登録者】 1,400名(米国)
【出展数】 140
【セッション数】 153
 【論文数】 797

10月14日月曜日

10月14日月曜日

コングレス・イントロダクションは世界会議組織委員長のT.R.シールズ氏の歓迎の辞でスタートしました。大きな会場と多彩なステージマネジメントに圧倒されました。テクニカルセッション、展示もスタートしました。

10月15日火曜日

テクニカルセッションが中心です。
「アジアからのレポート」にて第1回アジア太平洋地域ITSセミナーの報告も行われました。夕刻にはVIPディナーが催されました。

10月16日水曜日

午前中全体会議が開かれました。日本政府を代表し、中川勝弘通商産業省機械情報産業局長がスピーチをされました。 ITSの市場規模、新産業創出への影響、ITSによる経済効果、省エネ・環境改善、UTMS、VICS、ASV、AHS、SSVS及び衝突防止用の小電力ミリ波レーダシステムの6つのITSプロジェクト、5省庁連絡会によるITS全体構想の策定, 標準化の取組み等日本におけるITSの取組みを述べられました。
続いてプレナリー・ラウンドテーブル1で、中原恒雄VERTIS副会長が『アジア太平洋を視野に入れたITS、VICSの紹介、VICS進化による将来の情報化社会の創出等』について発表されました。
またプレナリー・ラウンドテーブル2では警察庁古賀光彦長官官房審議官が『 ITSの基礎となる交通管制システム、交通情報の収集・提供能力の充実、ITSによる交通管制システムの高度化、ITSによる産業の広がり』について発表されました。  午後には、ITS利用者の声、制度的成功要因、をテーマとするエクゼクティブ・セッション1と2が行われました。夕刻にはコングレス・ディナーもユニバーサル・スタジオにて催されました。

10月17日木曜日

4つのエクゼクティブ・セッション及び8つのラウンドテーブルが進められました。
エクゼクティブ・セッションのテーマは、成功のためのパートナーシップ、貨物・旅客のインターモーダル、標準とシステムアーキテクチャ、情報化社会の将来展望で、ラウンドテーブルではこれらのテーマの具体的な論議を行います。 展示は本日までのため、最後の1日としてにぎわいました。

10月18日金曜日

4つのラウンドテーブルが同時進行しました。これに続きクロージング・プレナリーが行われITSの将来展望について中原恒雄VERTIS副会長がスピーチを行いました。
またペーニヤ米運輸長官が「政府が資金補助を行い、国内標準を定め、同時にカナダ、メキシコを含む北米大陸での標準化を進める」「料金等の自動収受システムである商用車情報システム(CVISN)にも2年で700万ドルの補助を出す」と発表しました。 そして次回の1997年ベルリンにおける世界会議、1998年のソウルにおける世界会議に向けITSの推進を確認しつつ5日間に渡った第3回ITS世界会議の幕を閉じました。
テクニカル・セッションは10月14日~18日と全期間行われました。 展示は140団体・企業あり、日本関係は米国日系企業やVERTISブースを加え19団体・企業の出展でした。