第15回ITS世界会議ニューヨーク2008

第15回ITS世界会議ニューヨーク2008が2008年11月16日(日)から11月20日(木)までの5日間、ニューヨークで開催されました。今年の「ITS世界会議ニューヨーク2008」はITS Americaの年次総会との初の同時開催となり最大のスケールとなりました。また、今後のITS 発展のキーとなるVII(Vehicle Infrastructure Integration)の統合的なデモンストレーションが行われました。

詳細を会員ページの「ITS Japan News No.166」及び「ITS Japan会報31号」に掲載しています。

開催概要

【会期】 2008年11月16日(日)~11月20日(木)
【会場】 Jacob K. Javits Convention Center
【会議テーマ】 ITS Connections: Saving Time, Saving Lives
【参加国/地域】 66
【参加者】 8,057名
【会議登録者】 3,298名
【出展数】 250
【セッション数】 300
【論文数】 1,021

開会式

■11月16日(日)

和やかなレセプションに引き続き、開会式が華やかにおこなわれ、各参加国の政府関係者を中心としたVIP来賓が紹介されました。

  • 主催者代表:NYC交通局サディクカーンコミッショナー
  • AP地域代表:ITSJapan豊田会長
  • EU地域代表:ERTICOサンドストローム会長
  • AP地域からの来賓:
    • 中国 科学技術部 呉副大臣(ITSChina会長)
    • CECIコンサルタント JohnChien-ChungLi会長(ITSTaiwan会長)
    • 日本 国土交通省自動車交通局技術安全部 内藤部長
    • 韓国 高速道路会社 Lieu社長 (ITSKorea会長)

セッションプログラム

■11月17日(月)~11月20日(木)

200を越えるさまざまなセッションが企画されました。

プレナリーセッション

ミニストリアルプレナリー: “Transportation Policy for a Better World”
11月17日(月)10:00~12:00

  • ウェルカムスピーチ:日産自動車株式会社 山下光彦副社長
  • 司会者:Mr. John Horsley, Executive Director, American Association of State Highway and Transportation Officials (AASHTO), USA
  • 登壇者:
    • Mr. Tyler Duvall, Acting Under Secretary for Policy U.S. Department of Transportation, USA
    • 日本国土交通省自動車交通局技術安全部内藤部長(日本政府代表)
    • Ms. Asa Torstensson, Minister for Communications, Ministry of Enterprise, Energy and Communications, Sweden
    • Mr. Daniel Bursaux, General Director for Infrastructures, Transport and Sea, Ministry of Ecology, Energy, Sustainable Development and Spatial Planning,France
    • 中国科学技術部呉副大臣
    • Mr. Daniel Sullivan, Consul General to the Canadian Consulate in NYC

セーフティプレナリー: “Looking at Transportation Safety in New Ways”
11月19日(水)8:00~12:00

  • 司会者:Mr. Richard J. Weiland, Senior Vice President – Executive Advisor, Ygomi LLC, USA
  • 登壇者:
    • Hon. Mark V. Rosenker, Head of the National Transportation Safety Board, USA
    • 日本内閣官房高橋参事官
    • Prof. Dr. Jurgen Leohold, Executive Director Group Research, Volkswagen AG, USA
    • Mrs. Monica Sundstrom, Chairman of ERTICO-ITS Europe
    • 韓国高速道路会社Lieu社長
    • Dr. Lars-Goran Rosengren, Vice President, VolvoAB, Sweden
    • Mr. J. Peter Kissinger, President and CEO, AAA Foundation for Traffic Safety, USA

クロージングプレナリー:”ITS and Sustainable Mobility”
11月20日(木)15:30-17:00

  • 司会者:Mr. Larry Yermack, Telvent, USA
  • 登壇者:
    • Mr. Andy Darell, Vice President, Environmental Defense Fund, USA
    • ITS Japan坂内副会長
    • Mr. Jeremy Evans, Head of Traffic & Technology, Congestion Charging & Traffic Enforcement, Transport for London, United Kingdom

エグゼクティブセッション

官・民・学の有識者がITSの効果・問題・課題などを取り上げ、政策や戦略を議論しました。

各セッションのテーマと日本から登壇された方々は下記のとおりです。

  • ES01:「鉄道貨物輸送での国際協力による経済発展」
  • ES02:「ITSの資金調達とモビリティのための輸送インフラ政策」
  • ES03:「テレマティックの可能性:テレマティックス社会を作る」
    豊増 俊一 日産自動車株式会社 執行役員
  • ES04:「Global Safety」
    島 雅之  国土交通省自動車交通局技術安全部国際業務室長
  • ES05:「命を救う協調システム」
    橋本 晃 警察庁長官官房 参事官
    青木 隆 富士通株式会社 経営執行役
  • ES06:「ITS普及に弾みをつける-未来にあるものは?」
  • ES07:「協調ITSへの技術以外の課題」
    奥谷 正 国土交通省道路局道路交通管理課ITS推進室長
  • ES08:「ITS次世代通信の戦略的導入について」
    三輪 真 パナソニック株式会社・ 東京R&Dセンター長
    高橋 文昭 内閣官房 IT担当室 参事官 (岩川主幹代理登壇)
  • ES09:「公共交通政策」
    ES10:「ITS通信の政策と社会学」
    矢野 厚  住友電気工業株式会社常務取締役
    坂中 靖志 総務省総合通信基盤局電波部 新世代移動通信システム推進室長
  • ES11:「輸送コリドーを成功させるためのシステム管理政策」
  • ES12:「ITS普及の課題を乗り越える」
    小菅 文夫 パナソニック株式会社オートモーティブシステムズ社ディヴィジョン長
  • ES13:「PIARC/FISITAの協調システムタスクフォース報告」
    川嶋 弘尚 慶応義塾大学 教授
  • ES14:「自動車法規の国際協調と ITSにおける効果」
    島 雅之  国土交通省自動車交通局技術安全部国際業務室長(久保係長代理登壇)
  • ES15:「ITSの環境と気候への取り組み」
    山内 輝暢 経済産業省産業製造局 企画官ITS推進室長
    渡邉 浩之 トヨタ自動車株式会社 技監
  • ES16:「市場本位の交通需要管理の成功例と課題」
  • ES17:「ITS Vision 2030」
    前川 誠 ITS Japan 長期ビジョン委員会長

スペシャルセッション

各地域の専門家が研究・実用段階のITSに関する個別のテーマについて深く掘り下げ、最新の技術や施策を議論しました。

下記のセッションが日本のオーガナイザーによって企画されました。

  • SS09:「アジア太平洋地域各国の ITS報告: PartI」 ITS Japan
  • SS13:「各地域での協調システムの進捗状況について」 国土交通省道路局
  • SS22:「インターネット技術が広げるITSの世界」 インターネットITS協議会
  • SS54:「Global Safety Initiatives」 ITS Japan
  • SS28:「自動車安全のための通信技術開発」 総務省
  • SS29:「公共交通情報サービス」  国土交通省自動車交通局
  • SS39:「交通安全のための路車協調システム」 警察庁
  • SS44 :「アジア太平洋地域各国の ITS報告: PartII」  ITS Japan

論文セッション

Technical/Scientific Sessionは167セッション、Interactive Sessionは5セッション行われました。

論文CDのお申込みはこちらの申込用紙をご利用下さい。

デモンストレーション

米国の最大プロジェクトであるVII(Vehicle Infrastructure Integration)デモンストレーションが実施されました。

VII Test Bed

ニューヨーク市の強力なバックアップにより、ロングアイランドエキスプレスウェイや会場周辺の公道を使用し、VIIや情報サービスを体験するデモが行われました。

  • Long Island Expresswayコース(所要時間:約2時間半)
  • Manhattan Route(会場周辺コース)(所要時間:約30分)

VII Transportation Management Center of the Future

2020年を想定した交通管理センターのデモが劇場形式で行われました。主催者都合により日本語通訳はありませんでしたが、各回のデモで多くの日本人の参加者が見られました。

11th Avenue Theater :11番街劇場

会場前の11番街を通行止めにし、官民を含め30団体以上の協力のもと、カーメーカなどによるActive Safety Systemなどのデモや、米国運輸省によるデモSAFE TRIP-21や、DARPA Urban Challenge のautonomous vehiclesのデモが実施されました。カーメーカーからは Honda, Mercedes, Nissan, Toyota, VWが参加しました。

展示

■11 月 17 日 (月) ~ 11月20 日 (木) 会場 :Jacob K. Javits Convention Center)

5回にわたる展示スペースの拡張で、総面積は約32,550平米(9,765坪)となり250を超える企業・団体が出展しました。

閉会式

■11月20日(木) 15:30~17:00

Closing Plenary <ITS for Sustainable Mobility>の後、2009年、 2010年、 2011年のITS世界会議が紹介され、Passing the Globeセレモニーをもって閉会となりました。

テクニカルツアー

以下の視察ツアーが行われました 。

  • Grand Central Terminal Revitalization
  • NYCJointTrafficTransportationManagementCenter
  • Lower Manhattan Rebuilds
  • TRANSCOMCommunicationsCenter
  • Lincoln Tunnel XBL and Bus Terminal
  • New Jersey Statewide TrafficManagementCenter in Woodbridge
  • New York City Office of Emergency Management Technical Tour and Inter-agency Incident Demonstration
  • INFORM
  • Hudson Valley Traffic Management Center

その他イベント

以下のネットワーキングイベントが行われました。

  • 出展者レセプション:11 月 17 日 (月) 17:00~18:30
  • グランドセントラル駅レセプション:11月18日(火)18:00~21:00
  • ニューヨーク交通博物館インターナショナルレセプション:11月18日(火)17:30~20:00
  • ナイトインタイムススクエア:11月19日(水)18:00~ 於:“ESPN”