ITS調査・検討会
活動目的
ITS 調査・検討会は1999年に、ITS Japan(旧VERTIS)会員から広く参加いただき、我が国のITS のあるべき姿を自主的に調査・検討することを目的に「自主研究委員会」として発足し、常任理事会社以外の会員を中心に活動・運営されています。ITS Japan がNPO 法人化した時に今までの各委員会の見直しが行われ、常任理事会社以外の会員が中心となって活動する場の提供、自由闊達にこれからのITS を論じる場が是非必要であるとの要望から引き続き「ITS 調査・検討会」として積極的な活動を継続することとしました。
活動の経緯
- 1999年に「自主研究委員会」として発足し、3つの視点(ITS のあるべき姿、マルチモーダル、情報提供サービスの課題とカーマルチメディア)で調査・研究をスタートしました。
- 2000年から2002年にわたり、国土交通省から「IT を活用した交通結節点のあり方に関する調査」を受託し、「交通結節点」にテーマを絞り、研究を進めました。
・2000年度:人流及び物流における交通結節点の問題の明確化
・2001年度:問題点を解決し得る情報システムのマクロ的な方向付けとして、
公共交通情報センター及び総合物流情報センターの必要性を提言
・2002年度:交通結節点における情報提供のあり方について調査を実施 - 2003年から2004年にかけては、ITS Japan の内部体制およびNPO法人化に向けて各委員会の見直しが検討され、一時活動を中断しました。
- 2005年のNPO法人化にともない、ITS Japan の委員会体制の変更があり、「自主研究員会」は発足時の目的を今後も遂行していくため継続して「ITS 調査・検討会」と名称変更し調査研究を再開しました。
活動テーマ
最近完了したテーマ:ITS×ICTによる街づくり(2013年度~2018年度)
スマホやクラウドに代表されるICT(情報通信技術)の急速な進歩は、社会生活における情報検索や表示などをより日常的なものにし、「いつでもどこでもだれでも」必要な情報を素早く入手し、発信できる社会に変貌させてきました。本検討会はこのような社会的動向をとらえ、新しいITSサービスはITSとICTの相乗効果により生み出され、その効果により街が活性化することに貢献できるとの考えに立脚して活動をしてまいりました。このため、新しい交通システムを導入したり、導入が予定されている街や実証実験を実施中の街を訪問し、公共交通の乗車体験や実験視察、自治体などの有識者を訪問して意見交換することにより知見を得る活動を行ってまいりました。更に体験や得た知見などに基づき新しいITSのヒントを得て、役に立つITSサービス創出をめざし、継続して議論を行いました。
本テーマに沿って2018年度までに複数の都市を訪問しており、その知見をもとに街づくり(イメージ 下図)に貢献できる新しいITSサービスは何かを議論してきました。議論を通じて得た検討内容は2013年度~2014年度、2015年度~2016年度の活動のまとめとして掲載しましたが、新たに2017年度~2018年度の訪問により得た知見、課題などの活動内容のまとめを【会員限定ペジ】に追加掲載しました。このテーマは社会動向を捉えながら広範な領域を長期にわたり検討を進めましたので、まとめには経緯を振り返り易いように2013年度~2018年度のあらましも含め記載しました。
過去のテーマ
観光振興におけるITS の活用 (2006年度~2007年度)
観光に関係する各機関へのヒアリング、意見交流、現地調査を行い、全ての観光客が、自由に、安全・安心で、快適に楽しく移動することが可能な情報提供に関し、最も観光客と現地の住民が満足する「情報提供システム」を調査・研究しました。観光客に携端末を持たせ、直接情報を提供するのではなく、観光案内所員、観光ガイド等を介した情報提供をするための「観光コンシェルジェ支援システム」を提案しました。活動のまとめを【会員限定ページ】に記載しました。
防災・減災ITS (2008年度~2009年度)
被災地への現地調査、国内の防災・減災関係の研究・開発やビジネス内容の調査、有識者へのヒアリング等を実施した結果から、平常時に使い慣れた情報提供システムにおいて、災害発生時には関係車両、公共交通等の移動がスムーズに行えるような情報を提供する機能を付加したシステムを構築することを検討しました。このようなシステムでは、特に地域の防災情報、災害リスク情報等に全く接していない観光客に対しても、確実に災害情報を提供することができます。この結果を持って、自治体の防災情報(危機管理)センター、道路交通情報提供センター(バーチャル)、観光コンシェルジェ支援観光/災害情報センター(仮称)を、平常時と災害時に、有機的に連携し、観光客、地域住民へ確実に鮮度が良く信頼性のある災害情報を提供可能な「観光情報/災害情報ハイブリッドシステム」を提案しました。
高齢者とモビリティ (2010年度~2012年度)
高齢者とモビリティ (2010年度~2012年度)
現在の高齢化社会は今後増々高齢化率が高まり、2025年には人口の30%以上が65歳以上と推定されています。本検討会では2010年度に「高齢者とモビリティ」をテーマとして、有識者訪問と意見交換を中心とした調査や、その調査に基づく知見をベースとした検討会メンバーによるアイデア提案と議論を通じて、高齢者のためのITSの応用やサービスについて検討を進めてきました。この一環として2012年度は以下に示す自治体など有識者訪問および現地調査を実施しました。
・ 都心部におけるコミュニティバスの調査
調査により得られた知見に基づき、「街の中にあると便利なもの」についての検討会メンバーの提案と、試乗した超小型自動車の高齢者の移動への適用などを議論し、各種サービスを織り込んだ「高齢者に優しい街づくり」をイメージ図としてまとめました。活動のまとめを【会員限定ページ】に記載しました。