第16回 アジア太平洋地域ITSフォーラム(2018 福岡)
2018年5月に第16回アジア太平洋地域 ITSフォーラム(通称 APフォーラム)が福岡で開催されました。第1回を東京で開催して以来22年ぶりに日本で行われた本大会では、内外から多くの方に参加していただきました。以下に大会の概要をご報告申し上げます。
開催概要 (2018年8月1日更新)
【会期】 2018年5月8日-10日
【会場】 福岡国際会議場
【主催】 アジア太平洋地域ITSフォーラム2018福岡実行委員会
【会議テーマ】 Everyone’s Mobility by ITS
【共催】 ITS Asia-Pacific
【協力】 ITS Japan
【参加実績値】 総参加者数:3556
会議参加者数:1066
参加国数:27
出展団体数:80
投稿発表数:54
セッション数:46
ファイナルプログラムはこちらからダウンロードできます。
フォーラムレポート(英)はこちらからダウンロードできます。
セッショントピック
以下のテーマでセッションが企画されました。
A) Safe and secure society
B) Smart mobility
C) Next generation mobility
D) Infrastructure technologies for practical ITS
E) Development of human resource and education
開会式
日時:5月8日9:20-10:00
和太鼓のパフォーマンスで幕を上げた開会式では、主催者代表として中尾実行委員長、開催都市代表として高島福岡市長が参加者を歓迎しました。さらに来賓として日本政府代表の坂井総務副大臣及び北部九州自動車産業アジア先進拠点推進会議会長の福岡県小川知事がご挨拶を行い、続いてITS Asia-Pacificを代表して、事務局長でITS Japan専務理事の天野肇からITS Asia-Pacific理事の方々、ITS AmericaとERTICOの各CEOが紹介され、国内はもとよりアジア太平洋地域と欧米のキーパーソンが一堂に会し当フォーラムの開会式を盛り上げました。
Welcome Speech
第16回アジア太平洋ITSフォーラム2018福岡大会 実行委員会 委員長 中尾和毅
福岡市長 高島宗一郎
ゲストスピーチ
総務省 副大臣 坂井学
福岡県知事 北部九州自動車産業アジア先進拠点推進会議会長 小川洋
ウェルカムスピーチ
ITS Asia-Pacific 事務局長 天野肇
ERTICO-ITS Europe CEO Jaob Bangsgaard
ITS America CEO Shailen Bhatt
中尾委員長 高島市長 坂井総務副大臣 小川知事
Shailen Bhatt Jacob Bangsgaard
ITS America CEO ERTICO CEO
ITS Asia-Pacific 理事メンバー
セッションプログラム
プレナリーセッション (2)
PL01 – Impact on society by new era of mobility
「社会を進化させる新しいモビリティ」
5月8日(火)10:30-12:00
写真左より
福岡県知事 北部九州自動車産業アジア先進拠点推進会議会長 小川洋
トヨタ自動車 常務役員 山本圭司
米国 Ygomi 会長 Russell Shields
中国 Huawei LTE製品ライン担当社長 Veni Shone
インドネシア Blue Bird グループ会長 Noni Purnomo
PL02 – ITS, Contributing to the solution of the social challenges
「社会の課題解決に貢献するITS」
5月9日(水)9:00-10:30
写真左より
総務省 総合通信基盤局電波部長 竹内 芳明
九州大学理事・副学長安浦 寛人
台北市政府交通局 Deputy Director Jui-Lin Liou
シンガポールLand Transport Authority Deputy Chief Executive Chong Kheng Chua
豪州 クィーンズランド州政府 交通及び幹線道路部門 General Manager,Dennis Walsh
アジア開発銀行 Sustainable Transport & 気候変動部門交通セクターチーフ James Leather
エグゼクティブセッション(2)
ES01 – ITS Asia-Pacific Updates I
5月8日(火)16:00-17:30
写真左より
日本 早稲田大学 石太郎 (モデレータ)
豪州 ITS Australia Dean Zabrieszach
香港 香港理工大学 William Lam
インドネシア 運輸省 Umiyatun Hayati Triastuti
マレーシア ITS Malaysia Siewmun Leong
ES02 – ITS Asia-Pacific Updates II
5月9日(水)16:00-17:30
写真左より
香港 香港理工大学 Edward Chung(モデレータ)
韓国 ITS Korea Young-Kyun Lee
ニュージーランド ITS New Zealand Mohammed Hikmet
フィリピン フィリピン大学 Ricard Sigua
タイ ITS Thailand Sorawit Narupiti
<< ITS Asia-Pacific Workshop>>
「How the integration of public transport information across the transport modes have influenced the people’s life and behavior ?」
5月9日(水)14:00-15:30
アジアパシフィック地域ならではの交通課題を専門家同士で議論する場として始まった当ワークショップは今回で4回目となりました。今回は地元九州で公共交通情報の一元化に取組まれた西鉄情報システムの浦さんに事例を紹介していただきました。
写真左より
ITS Japan 多本 恵俊(モデレータ)
スピーカー
中国 Cennavi Jianjun Li
シンガポール NCS Pte. Ltd. Sales Director Eddie Lim
韓国 ソウル市政府 Dong Hwan Min
台湾 International Integrated SystemsInc 副社長 Mark Hsiao
西鉄情報システム株式会社 理事 浦 正勝(キーノート)
スペシャルインタレストセッション (9)
SIS01 – Intelligent infrastructure for new mobility
SIS02 – Ths prospective of connected motorcycle
SIS03 – Innovation for better mobility
SIS04 – Smart and safe city realized by utilization of traffic data
(安全な都市形成のための交通データの利活用)
SIS05 – Mobility Challenges in Low Car-Dependency Communities
SIS06 – International standardization on Cooperative ITS and Automated Driving by ISO/TC204
SIS07 – Cyber security in ITS
SIS08 – The key to MaaS success
SIS09 – ITS deployment opportunities from the viewpoint of financing, policy and technology
(資金調達、政策、技術の観点からのITSの展開)
ホストハイレベルパネル (3)
HL01 – Governmebt Panel – Automated driving for the realization of Society 5.0
「Society 5.0の実現に向けた自動運転プロジェクト」
写真左より
基調講演:
内閣府特命担当大臣 松山 政司
内閣官房 情報通信技術(ICT) 総合戦略室内閣参事官 八山幸司
スピーカー:
警察庁 交通局 交通企画課 自動運転企画室 室長 杉 俊弘
総務省 総合通信基盤局 移動通信課 新世代移動通信システム推進室 室長 中里 学
経済産業省 製造産業局 自動車課 ITS・自動走行推進室室 室長 垣見 直彦
国土交通省 道路局 高度道路交通システム(ITS)推進室 室長 西尾 崇
国土交通省 自動車局 技術政策課 自動運転戦略室 室長 佐橋 真人
HL02 – Smart card, a gigantic infrastructure of society
「交通系ICカードとスマート社会」
HL03 – ITS discussed from the view of Internet industry
「インターネット社会から見たITS」
ホストセレクテッドセッション (5)
HS01 – ITS for handicapped persons and vulnerable road users
HS02 – Infrastructure Technologies for Autonomous Drving Implementation
HS03 – Automated driving for community transportation
HS04 – Regional ITS
HS05 – Construction of the traffic data unification platform
テクニカルセッション (24)
ポスターセッション (1)
展示会
開会時間:5月8日10:30-17:30
5月9日9:00-17:30
5月10日9:00-12:30
ITS Japan会員企業・団体・関係省庁・地元福岡を中心に、国内外併せて50以上の企業・団体が出展しました。
展示参加企業/団体:
株式会社IHI
アイシン精機株式会社
愛知製鋼株式会社 / 先進モビリティ株式会社
アイティアクセス株式会社 / 株式会社ACCESS / Ada Core
ITS Asia-Pacific
ITS Australia / Cohda Wireless / ATC-BRAUMS (Aldridge Traffic Controllers)
ITS Korea
ITS情報通信システム推進会議
ITS Singapore
ITS Taiwan
株式会社アドバンテスト
インクリメントP株式会社
Infracomms Pte Ltd / MobileMark Inc.
株式会社ウェザーニューズ
Aimsun Pty. Ltd./ユーデック株式会社
NEC
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
株式会社NTTドコモ
沖電気工業株式会社
九州地方整備局
株式会社QTnet
クラリオン株式会社
経済産業省
KDDI株式会社
株式会社ジェイテクト
CITILABS INC.
住友電気工業株式会社 / 住友電工システムソリューション株式会社
株式会社ゼンリン
Solace Corporation
第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)
ダイナミックマップ基盤株式会社
China ITS Industry Alliance
株式会社ティーアンドエス
株式会社ディー・エヌ・エー
株式会社デンソー
東海電子株式会社
東芝インフラシステムズ株式会社
一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター
Tom Tom
トヨタ自動車株式会社
豊田通商株式会社
株式会社トライアート
西日本高速道路エンジニアリング四国株式会社
西日本高速道路エンジニアリング中国株式会社
西日本高速道路ファシリティーズ株式会社
西日本鉄道株式会社
日米電子株式会社
株式会社 日本緊急通報サービス
日本信号株式会社
株式会社ニモカ
パナソニック株式会社/パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社
PSソリューションズ株式会社
株式会社PTVグループジャパン
フィンランド大使館商務部
株式会社フォーラムエイト
Fukuoka AI Community
Fukuoka Growth Next(株式会社オルターブース/株式会社スカイディスク)
福岡市道路下水道局
FUKUOKA Smart EAST
「福岡よかもんいち」(福岡観光コンベンションビューロー)
株式会社 福山コンサルタント
富士通株式会社
北部九州自動車産業アジア先進拠点推進会議(福岡県)
本田技研工業株式会社
三菱重工機械システム株式会社
三菱電機株式会社
株式会社村田製作所
矢崎エナジーシステム株式会社
主な独立ブース(一部):
西鉄グループ トヨタ自動車 KDDI
パナソニック デンソー 本田技研工業
三菱電機 NEC 沖電気工業
住友電気工業 ジェイテクト フォーラムエイト
矢崎エナジーシステム/富士通 アイシン精機 三菱重工メカトロシステムズ
VICSセンター 東芝
共同展示:
本田技研工業株式会社(2輪)
トヨタ自動車九州株式会社、トヨタ自動車株式会社、住友電気工業株式会社、久留米工業大学
KDDI株式会社、KDDI研究所
特別展示:「街で活躍する車たち」– 福岡国際会議場緑道でも以下の展示が行われました。
ヤマハ発動機製自動運転車両(国土交通省九州地方整備局)
都心循環BRT(西日本鉄道株式会社)
テクニカルビジット
・西鉄天神高速バスターミナル/福岡県警交通管制センター/中部水処理センター(下水バイオガス水素ステーション)を視察するテクニカルビジットには3日間で89人が参加しました。
自動運転デモンストレーション
・e-COM10(群馬大学):地域社会への普及を目指した自動運転デモンストレーション
・SBドライブ:福岡空港国際線⇔国内線連絡 自動走行バス実証実験
・ジェイテクト/KDDI/西日本鉄道:バス指導教官による模擬走行実演&自動運転車両走行デモ
e-COM10 SBドライブ ジェイテクト
KDDI 西鉄バス
デモンストレーション
・トヨタ自動車:ITSコネクト
・NTTドコモ/未来シェア:AIバス?乗車体験
・本田技研工業:信号情報活用運転支援システム(TSPS)
トヨタ自動車 NTTドコモ 本田技研工業
ITSソリューションステージ
日時:5月8-10日
国内外併せて13団体がITSに関する様々なソリューションを紹介するとともに、ビジネスマッチングの機会が提供されました。
参加いただいた団体:
正興ITソリューション株式会社
株式会社オプティム
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
東京弁護士会リーガルサービスジョイントセンターAI部会
アイビーシー株式会社
公益財団法人九州経済調査協会
株式会社ディー・エヌ・エー
Solace Corporation
シスコシステムズ合同会社
株式会社ティーアンドエス
NTTコミュニケーションズ株式会社
Intelligent Transportation Society (ITS) Singapore
株式会社TRIART
ガラディナー
日時:5月8日19:00-21:00
場所:博多川端商店街
参加費用:10,000円(税込み)
450人が参加しました。
ポストコングレスツアー
日時:5月11日 (北九州コース)
価格:15,000円(税込み)
トヨタ自動車九州・ZENRIN・安川電機を視察訪問しました。
その他のサービス
・交通系ICカードを活用した認証サービス
・スマートフォン用ホスピタリティアプリ
アイディアソン
日時:5月7-10日
日本と海外の学生94人が混成チーム(13チーム)を編成し、「ITSを活用していかにしてアジア各国の交通事故を減らすか」をテーマに社会的課題の解決に繋がるITSサービスや製品に関する新たなアイデアを競いました。
東田理事 国立高等専門学校機構
<最優秀賞>
ultron「ドライブレコーダーのデータをディープラーニングすることで、交通事故を減らすためには」
<スポンサー賞>
ゼンリン賞: KLM 「顔認証システム(意識の有無判定・眠気・疲れ)」
アドバンテスト賞: Team AZ「列車の技術を車に応用するには」
パソナテック賞: S.C. Tire 「あらゆる条件・状況に応じたタイヤサポートシステム(安全性)」
トヨタ自動車九州賞: sakura 「リアルタイム歩行者探知」
閉会式
日時:5月10日 13:00-14:00
福田プログラム部会長が今回のフォーラムを総括しました(下記ご参照)。引き続き、今後のITSの国際会議の代表が登壇しイベントを紹介しました(2018世界会議コペンハーゲン・2019世界会議シンガポール・2020APフォーラムブリスベン)。最後に二橋副実行委員長によるご挨拶で閉会しました。
福田プログラム委員長 多本ITS Japan常務理事 Chin Kian Keong
(2018コペンハーゲン世界会議紹介) シンガポール陸上交通庁
Andrew Chow Dean Zabrieszach 二橋副実行委員長
ITS Singapore ITS Australia
(福田プログラム部会長のサマリー報告概要)
① 当フォーラムの特徴
・ 「Everyone’s Mobility by ITS」をキーワードに、ITSを従来の人々からの観点から更に踏み込んで、人・個人の観点から考えようとした。
・ 近年の重要テーマ「自動運転」に関して大規模なデモを行った。
・ 次世代の人材育成のための「アイデアソン」を企画した。
②セッション
・ 極めて広範囲の課題とトピックが、「Everyone’s Mobility by ITS」の観点からカバーされた。安全・安心な社会、スマートモビリティ・次世代のモビリティ・実用化ITSのためのインフラ技術・次世代の人材育成などが含まれた。
・ PL/ESでは、ITS APメンバーの国々・地域・産業界から、政策に影響力のあるリーダーの方々が講演。重要な示唆を与え、活発な議論が行われた。
・ ホストハイレベルパネルでは、日本のITSに関する政府の各省庁及び産業界のリーダー達がITS政策についてフランクに議論。我が国のITS政策の方向性を述べ重要な示唆を与えた。
③当フォーラムが残したもの
・ 世界はもとよりアジア太平洋地域においても、ITSは社会インフラとして必要不可欠であることを再確認した。
・ APフォーラムの中で恐らく最初の試みである「アイデアソン」について、次世代の人材育成のために、「先端ポリテクニック人材育成推進協議会」を立ち上げたこと。本協議会は、教育プログラムとして継続。次回イベントは、今年の10月。
・ 発表論文の中から選択した論文をSpringer出版社から書籍として出版する。
④私たち(実行委員会)の希望
・ 当フォーラムが、2020年東京オリンピック/パラリンピックにおけるITSに関する挑戦に一つでも貢献できれば、望外の喜びである。
参加料
Full Conference 47,520円 (2018年1月31日まで)
59,400円 (2018年2月1日以降)
Speaker/Moderator 35,640円
Students 11,880円
Gala Dinner 10,000円
*税込み価格です。
御礼
ITSフォーラムにご参加いただいた皆様、ご支援・ご協力をいただきました皆様、
誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。