第13回地域ITS推進団体連絡会(2017年2月7日)

地域ITSの活動として2月に実施した、地域ITS推進団体連絡会の実施状況を紹介します。

テーマ  :住民に求められるITS
開催日時 :2017 年 2 月 7 日【火】 13:00 ~ 17:15
開催場所 :メルパルク東京 牡丹の間
参加者  :ITS 関係4省庁、国土交通省総合政策局、地域ITS 推進団体、ITS Japan
     〔参加者数:26名〕

 地域ITS 推進団体連絡会は毎年1回開催しており、今回で13回目を数えます。ITS Japan に特別会員登録をいただいている地域ITS 推進団体と、ITS 関係4省庁に加え、国土交通省総合政策局総務課(総合交通体系)からもご参加いただきました。

〔プログラム〕

  1.地域ITSを取り巻く動き
  2.2016年度の地域での活動と課題や気付きの報告
  3.ディスカッション(今年度の地域での活動で得られた課題や気付きについて)

〔1.地域ITSを取り巻く動きの概要〕

 ITS Japanより、新中期計画の活動と連携した活動についてと、世界および日本のITSを取り巻く動きについて報告しました。
  ① ITS Japanの新中期計画と地域ITS活動の位置付け
  ② 世界のITSの動向
  ③ 日本の地域公共交通の動向

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〔2.2016年度の地域での活動と課題や気付きの報告の概要〕

 ITS Japanより、この1年間に見聞きしてきた少人口地域や中山間地域、高齢化地域について報告しました。

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ITS Japanより、今年度の地域交流会の活動について報告しました。

開催日

会議名(場所)

テーマ

参加者

地域選定のねらい

12/8

第10回ITS地域交流会in山陰地方(米子市)

中山間地域の暮らしにおける交通や移動の課題を考える

山陰地方(鳥取県、島根県)の自治体、事業者、研究者

中山間地域で過疎地が多く、小さな拠点づくりや、高齢者の移動や交通課題への先行した取組み事例を知る。

各地域ITS推進団体から今年度の活動が報告されました。

 

地域ITS推進団体

報告内容

1

北海道ITS推進フォーラム

総会講演会および勉強会の開催

2

特定非営利活動法人 青森ITSクラブ

地域の交通情報ポータルサイトの本格運用

3

横浜市

超小型電気自動車(EV)を活用した実証実験の実施

4

ふじのくに静岡ITS推進協議会

①骨伝導ヘッドフォンとGPS機能によるサイクリストへの情報提供

②NAVITIME、県道路公社と連携した伊豆地域における交通誘導実験の実施

5

愛知県ITS推進協議会

交通事故データを活用した交通安全アプリの研究

6

豊田市交通まちづくり推進協議会

ITSコネクト対応車載機の緊急車両への導入及びプローブ情報を活用した取組について

7

岡山県ITS推進協議会

対向車感知情報板

8

中国ITS研究会(中国経済連合会)

ITSに関わる講演会・研究会の開催

9

九州経済連合会

ITSに関する講演会等の開催

〔3.ディスカッションの概要〕

 「地域の住民から求められ、実現したい交通サービス」と「地域で持続しなかったサービス、持続させる工夫」について多く意見が交わされました。

主な議論(住民ニーズの把握について)

・住民ニーズの把握には、各種実証実験を行い、参加者からアンケートを取っている。
・道路のニーズは把握していても、それを庁内のまちづくり等の他の部門と共有できていない。
・地域のニーズと地域の課題は違うので、課題を軸にして「こうしたい」という対策を類型化して
 処方箋に仕上げていく必要がある。
・人口が多い地域ではアンケート等でもニーズが見えてくるが、中山間地域などの少人口地域では
 ワークショップを行って掘り下げないと課題やニーズが見えてこない。
・アンケートを行ってもニーズは掴まらない。実施者が地域の交通についてのビジョンを持つこと
 が重要。
・地域のニーズは会員の企業や団体経由で入手している。

主な議論(サービスを根付かせる工夫や努力)

・補助金を活用して行政主導で開始した情報提供サービスが、補助期間が終わった後に民間や
 NPOに移管されたケースでは、いかにランニングコストを下げるかについて努力した。

・交通情報提供サービスの場合、広範な情報を提供するのではなく、8割の人が欲している
 2割の情報を的確に選定して提供するのが良いと思う。

・技術先行ではなく、豊かに暮らせる事を第一に考えて、共助による移動支援サービスを構築
 しようと実証実験を行っている。

〔まとめ〕

 今回はITS Japanが新中期計画で掲げている「社会実装の現場」で求められる価値について掘り下げるべく、「住民ニーズの把握」についてディスカッションを行いました。少人口地域のニーズを得る事のむずかしさや、実施者のビジョンに基づいて取り組みを進める考え方など、多面的な意見が出されました。少人口地域ではサービスを住民の共助による活動で維持する必要があり、その支援の取組みも含めて、地域が真に必要としている価値を生み出す事への理解を深めることができました。

〔地域ITS推進団体連絡会風景〕

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《 参考資料紹介 》

地域ITS推進団体連絡会とは? 
第13回地域ITS推進団体連絡会 プログラム