次世代ITS -社会的課題への対応-
今後は「地球環境や安全、渋滞などの交通課題を解決し、人々の豊かな生活と産業・文化の発展に期する」、すなわち「持続可能なモビリティ社会の実現」に向けた取組が重要です。実際、政府のIT新改革戦略やイノベーション25戦略会議、総合科学技術会議に加え、産業界の産業競争力懇談会(COCN)提言にもITSが含まれており、将来の交通社会やモビリティ向上に向けITSに期待がかけられている。
現在の交通を取り巻く状況は、地球環境問題の深刻化、情報通信分野の国際競争の激化、経済低迷による自動車を始めとする産業界への影響、新興国の台頭、電動化の拡大による自動車技術の変化等、実に様々な課題がある。これらの課題の解決に向け、ITS Japanとしても、新交通物流特別委員会を通じた社会還元加速プロジェクトへの提言活動や、2030年までの社会環境の変化を想定した「ITS長期ビジョン2030」を策定するなど、総合交通ビジョンの視点からローリングを行い実現に向けた活動を継続している。
現在の多くのITSプロジェクトは、2012年に実用化する目標で研究・普及が行われている。2013年のITS 世界会議・東京は、これまでの日本のITSを検証し世界に発信していく場であり、さらに加速していくための重要な機会である。今後のモビリティ社会について、ITS推進を活性化させ弾みをつける場として、期待されている。