第4回ITS地域交流会 in 高知2012(2012年11月6日)
【第4回 ITS地域交流会 in 高知2012 開催報告】
2012年11月6日に高知県で開催した『第4回ITS地域交流会in高知2012』について報告する。
1.実施概要
1)主催他
開催日時: 2012年11月6日(火) 13:00~17:30
開催場所: 高知共済会館 COMMUNITY SQUARE(コミュニティスクェア)
3F大ホール 桜
交流会テーマ: 地方の公共交通の課題と対策を考える
主催など: 特定非営利活動法人ITS Japan
共催:高知工科大学 後援:高知県、高知市
2)交流会参加者:71名
国土交通省四国運輸局、高知県17名
高知県内市町村交通政策担当者22名
高知県内交通事業者 18名
講演者・スタッフ 14名
3)交流会プログラム
第Ⅰ部:基調講演
横浜国立大学の中村文彦教授、名古屋大学の加藤博和准教授による基調講演セッション
第Ⅱ部:地域の公共交通課題への取組み
高知県ならびに高知市の公共交通課題への取組み紹介セッション
第Ⅲ部:地域公共交通の活性化・再生化に向けて
イーグルバス株式会社ならびに高知工科大学の地域公共交通の活性化・再生化に
向けた取組み紹介
セッション
第Ⅳ部:登壇者とのパネルディスカッション
講演内容を中心としたテーマ感で登壇者と交流会参加者との情報共有を図るセッション
2.交流会での登壇者の講演ポイント
交流会での登壇者の講演ポイントを簡単に紹介する。
1)横浜国立大学 中村文彦 教授の講演ポイント
講演テーマ:公共交通(特にバスや路面電車)とITS総論
海外での公共交通事例の紹介も含めて、ニーズ・ドリブンで課題の本質をとらえ、
目的を明確にして必死に考えること、地域特性でのアレンジは必要だが他都市の
政策で良いところはまねることを強調された。
[横浜国立大学 教授 |
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2)名古屋大学 加藤博和 准教授の講演ポイント
講演テーマ:地域公共交通に対する地域・自治体・交通事業者の対応
各都市の事例も紹介しながら、公共交通の確保・維持・改善の5カ条を中心に、
自治体関係者、交通事業者への叱咤激励も含めて講演された。
[名古屋大学 准教授 |
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[公共交通活性化・再生の5カ条の事例 (出典:名古屋大学 加藤准教授 講演資料より)] |
3)高知県産業振興部交通運輸政策課 川村課長の講演ポイント
講演テーマ:高知県の公共交通の維持確保・活性化に向けて
高知県の公共交通の現状と各委員会からの答申、提言の概要紹介による、
高知県としての公共交通への取組みを講演された。
[高知県交通運輸政策課 課長 川村 雅計 氏] |
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[公共交通維持・確保に向けた県の役割(出典:高知県交通運輸政策課 川村課長 講演資料より)] |
4)高知市市民協働部交通政策課 清水課長の講演ポイント
講演テーマ:鏡・土佐山地域でのデマンド型乗合タクシーの実証実験
高知市の中山間部に位置する「鏡・土佐山地区でのデマンド型乗合タクシーの実証実験」
について、計画事業の背景、概要、地域住民との合意形成プロセスなど、
高知市の公共交通確保への取組みを講演された。
[高知市交通政策課 課長 清水 博 氏] |
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[鏡・土佐山地域でのデマンド型乗合タクシーの実証実験 |
5)イーグルバス株式会社 谷島 賢 代表取締役社長の講演ポイント
講演テーマ:地域公共交通の活性化・再生にむけて
交通事業者視点で試行錯誤のなか、IT技術を駆使してバス路線の経営指標を可視化して、
路線再編、ダイヤ改変を利用者目線で実施し、バス利用客の増加を具体的なノウハウ、
事例を用いて判りやすく講演された。
[イーグルバス(株) 代表取締役社長 谷島 賢 氏] |
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[運行の見える化事例 (出典:イーグルバス(株) 谷島社長 講演資料より)] |
6)高知工科大学 熊谷靖彦教授、片岡氏、永原氏の講演ポイント
講演テーマ:ITS技術を活用した路線バスの高度化・効率化に関する取組み
高知工科大学のバス情報化への考え方、開発中の可視化ツール、
オフラインバスロケについて講演された。
[高知工科大学 教授 熊谷 靖彦 氏] |
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[高知工科大学 助手 片岡 源宗 氏] |
[高知工科大学 助手 永原 三博 氏] |
ITS技術を活用した路線バスの 高度化・効率化に関する取組み (出典:高知工科大学 熊谷教授他 講演資料より)
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4.登壇者とのパネルディスカッションのポイント
登壇者とのパネルディスカッションとして、各登壇者の講演内容を中心にしたテーマ感で
参加者との情報共有を図った。登壇者とのパネルディスカッションは、以下のテーマで実施した。
[登壇者とのパネルディスカッションの様子] |
5.最後に
交流会に参加した自治体、交通事業者からは、登壇者から叱咤激励の言葉もあり、
「目からうろこが落ちた」とか「まだまだ考える余地がある」とか「来て良かった」
との声が多数あった。
また、交流会参加者アンケートからは、事例紹介を多くして欲しい、
グループ討議ができればよかったなどの意見もあり、次回の交流会に向けて参考に
していきたい。
《 参考資料紹介 》ITS地域交流会とは?(ITS Japanの地域ITS活動)