第3回ITS地域交流会 in 青森2012(2012年9月14日)

【第3回 ITS地域交流会 in 青森2012 開催報告】

~自然災害リスクにも目配りされた地域交通の在り方とは~

2012年9月14日、青森市において“ITS地域交流会 in 青森”を開催した。

1 実施概要

  1) 日時:2012年9月14日【金】13:00 ~ 17:00
  2) 会場:青森市文化観光交流施設 ねぶたの家 ワ・ラッセ 交流学習室
  3) 参加者:青森県内市町村(15名)、ITS推進団体(5名)、青森県(6名)、
    東北運輸局(1名)、青森運輸支局(1名)、青森河川国道事務所(3名)
  4) プログラム:
    ⅰ)県、県内市町村や国による地域交通に対する災害対応の取組、先行事例発表と活動紹介
    ⅱ)数名のグループに分かれての、意見交換と討議
    ⅲ)全体パネルディスカッション(パネラー:発表者)
      住民や移動者(ドライバーや旅行者)が安心して利用でき、
      自然災害リスクにも目配りされた地域交通の在り方についての、
      課題・施策・留意点について討議を行った

   配布プログラム

[事例・取組の発表]

[グループ討議]

[パネルディスカッション]

2 講演内容(事例発表・活動紹介など)

  2-1)講演
    1) 災害時等におけるICT利活用に関する県の取組
      青森県の取組紹介

  2-2)事例の紹介
    1) 災害に役立つ情報提供(通行実績・通行止情報)
      特定非営利活動法人 ITS Japanの事例紹介

    2) 地域公共交通の確保・維持に向けた取組
      東北運輸局の取組紹介

    3) 害時公共交通行動指針等策定事業について
      八戸市の取組紹介

    4) 官民協働による情報提供の取組
      特定非営利活動法人 青森ITSクラブの事例・取組紹介

3 グループ討議

  参加者と登壇者が5つのグループに分かれ、事前のアンケート内容から抽出した、
    a 利用者の情報ニーズと情報提供の在り方
    b 平時の備えの在り方 
    c 組織を超えた情報の共有の在り方
  等のテーマを切り口にして討議を行い、地域の交通における防災対策について討議・意見交換を行った。

4 パネルディスカッション

  クループ討議の結果をグループ毎に発表した後、登壇者をパネラーとして下記のような内容が
  ディスカッションされた。

  ◎平時の備え
   平常時に稼働させ、しっかり活用されていないシステムは災害時にも使えない可能性が高い。
   防災計画と関連付けた形で、地域の交通に災害時に起きうる場面毎に対応マニュアルを
   事前に準備し連携体制を整備する事が重要。

  ◎予備システム
   デジタル系のデータ通信システムは停電するとデータの消失などダメージが大きくなりがち
   であるため、予備としてアナログ系の音声通信や放送等のシステムも有しておく事が重要。

  ◎未確認情報(やわらかい情報)
   情報が通報されても、職員等によってその内容の確認が取れるまでは行政としては
   それを住民向けに発信することはむずかしい。

  ◎他部門、他組織との情報の共有
   小規模な市町村では問題無いが、他組織や他団体と情報の授受を
   スムーズに行うためには担当者同士「顔」が思い浮かぶ関係になっている
   ことも重要であり、防災訓練等で日頃から「顔」をつないでおく必要がある。

  ◎情報の収集と発信
   交通機関に対する問い合わせが自治体に多数寄せられる等、行政でも
   災害時のリアルタイムの情報収集は課題となっている。
   防災情報の発信はエリアメールや戸別受信端末等を用いてある程度可能であるが、
   高齢化率が高いところではテレビ、ラジオ等の放送メディアの一層の有効活用が必要。

5 最後に

防災、都市計画、道路管理、情報通信、観光、警察、等、様々な分野で現場を担当される方々に、地域交通の防災・減災という視点で討議していただいた事で、それぞれの業務における平常時の備えについての議論にとどまらず、部門を越えた防災情報の共有や市民や移動者、ドライバーへの防災情報提供の必要性と、その課題についても多くの意見が出された。

今回の交流会で交わされた意見や情報を各位の業務にお役立ていただければ幸いである。

 

《 参考資料紹介 》ITS地域交流会とは?(ITS Japanの地域ITS活動)