プログラム

開催概要 プログラム 大会委員会
12月10日(木)

12月11日(金)

基調講演
『坂の上の雲』のまち松山のまちづくりの歩み

企画セッション2
5G通信技術が実現するモビリティの技術革新
企画セッション1
複合型災害時における避難のあり方とITSの役割
対話セッション3-A
観測技術
対話セッション3-B
自動運転
対話セッション1-A
 ITS評価分析
対話セッション1-B
公共交通
対話セッション3-B
自動運転
対話セッション4-B
画像処理
対話セッション2-A
新システム
対話セッション2-B
交通安全

企画セッション3
中山間地域とITS

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開会式

12月10日(木) 10:00-10:15

実行委員長挨拶    大橋 裕一        愛媛大学 学長
主催者挨拶          佐々木 眞一     特定非営利活動法人ITS Japan 会長

基調講演 『坂の上の雲』のまち松山のまちづくりの歩み

12月10日(木) 10:15-11:00

県庁所在地の都市のほとんどは近世において城下町として発展してきた都市といわれているように、松山市も同様に初代城主加藤嘉明によって建設された城郭と城下町が基盤となっている。城を取り囲むように形成している市街地の東北4㎞の位置には、3千年の歴史を持つといわれる名湯道後温泉があり、連立式平山城として名高い松山城と共に日本有数の観光都市として発展してきた。その松山城や濠を望みながら中心市街地を周遊するように路面電車が走り、近隣の都市と連絡する5つの街道が放射状に延び、その中心部は戦災復興土地区画整理事業により碁盤の目に道路網が整備され、これらが都市の骨格を形成している。また、近代俳句の創始者正岡子規の故郷であり、文豪夏目漱石が英語教師として赴任した街であることから、明治文学を語るに相応しい街としても知られている。本講演は、その歴史的変遷を概観しつつ、近年の『坂の上の雲』のまちづくりの取り組みについても紹介する。

キーノートスピーカ
松本 啓治     坂の上の雲ミュージアム 総館長
                  愛媛大学社会連携推進機構アーバンデザイン研究部門 客員教授

講演者プロフィール
1949年(昭和24年)生まれ。愛媛県西予市出身。昭和47年愛媛大学卒業後松山市役所に土木技術職員として入庁。道路、河川、公園、下水道、都市計画等の土木技術課を経て、平成15年度から坂の上の雲まちづくりに関わる。以来、「『坂の上の雲』のまちづくり」の責任者としてロープウェー通りの整備、駅舎の改築、坂の上の雲ミュージアムの新築、道後温泉本館周辺景観整備等に関わり、それらは都市景観大賞最高位の「国土交通大臣賞」を受賞するなど、高い評価を得ている。その後、愛媛大学社会連携推進機構アーバンデザイン研究部門教授を経て、平成29年より現職。その他にも、道後温泉審議会委員や松山広域都市計画事業松山駅周辺土地区画整理審議会委員なども務めている。

企画セッション

12月10日(木)  15:00-16:30
企画セッション1   複合型災害時における避難のあり方とITSの役割

わが国においては南海トラフ地震をはじめとする様々な災害発生のリスクが高まり、これまでに様々な分野において連携が進み、避難のあり方やその対策について検討がなされてきた。一方、新型コロナウィルスの感染が世界各地で拡大し、わが国においても新たな生活様式が実践される等、多くの人が様々な面で変化が求められており、災害への対応についても新型コロナウィルスの感染拡大を抑止しながら災害から人の命と財産を守るための新たなリスクマネジメント方策の検討が求められている。本セッションでは、自然災害と新型コロナウイルスの複合型災害時における避難のあり方とその被害を軽減するためのITSのあり方について、災害対応を想定したデータプラットフォーム・データ解析技術の開発、ITを活用したリスクコミュニケーションの高度化の観点から議論する。

モデレータ
藤原 章正      広島大学大学院 先進理工系科学研究科 教授

パネリスト
福田 大輔      東京大学大学院 工学系研究科社会基盤学専攻 教授
大島 正美      一般社団法人データクレイドル 理事
野本 粋浩      国土交通省 四国地方整備局 統括防災官
後藤 由成      NEXCO西日本 四国支社 保全サービス事業部長

12月11日(金)  9:30-11:00
企画セッション2   5G通信技術が実現するモビリティの技術革新

2020年にサービス提供が開始された第5世代移動通信システム「5G」。「高速・大容量」、「低遅延」、そして「多数同時接続」通信が可能になることから、エンターテイメントや医療・介護、教育、観光など多様な分野で新たな技術とサービスの登場が期待されている。モビリティ分野においても、自動運転や遠隔運転の核となる車車間通信や路車間通信による交通状況の即時把握が期待できることから、5Gの提供を見越した技術開発がかねてより進められており、実証実験によってそのサービスの一端が明らかになりつつある。更には、5Gの登場は様々なモノとモノの接続、すなわちIoTの普及を加速させ、我々の社会生活に大きな変革をもたらすことが予想される。本セッションでは、自動・遠隔運転、通信の各分野からパネリストを招き、5G通信技術によって実現する新技術やサービス事例の紹介を通じて、未来のモビリティや社会生活の変革について議論する。

モデレータ
都築 伸二       愛媛大学 工学部電気電子工学科 教授

パネリスト
深井 秀一       株式会社NTTドコモ 法人ビジネス本部 5G・IoTビジネス部
                    モビリティビジネス推進室 室長
大谷 朋広       株式会社KDDI総合研究所 執行役員
吉野 仁          ソフトバンク株式会社 技術統括 先端技術開発本部 先端コネクテッド推進部 担当部長
武藤 祐治       大分県 商工観光労働部 情報政策課 地域情報化推進班・主幹
上田 哲郎       日産自動車株式会社 総合研究所 エキスパートリーダ

12月11日(金)  15:00-16:30
企画セッション3    中山間地域とITS

我が国の中山間地域においては、生活の足を確保する手段として、デマンド・レスポンス型交通サービスの導入や空白地有償運送制度の活用など、様々な取り組みがなされてきた。また、近年では、道の駅等を拠点とした自動運転システムやライドシェアサービスの実証実験なども全国各地で実施されつつある。本セッションでは、地形や気候,需要量やその密度等の条件において、交通サービスの展開が厳しい中山間地域に焦点をあて、これまでの取り組みや先進的な事例に関する情報を共有すると共に、ウィズ・コロナ、ひいてはアフター・コロナ時代においても持続可能な交通サービスをめぐる技術的・制度的課題やその処方について議論する。

モデレータ
 森川 高行      名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所・教授
                    名古屋大学COI・研究リーダー

パネリスト
牧村 和彦       一般財団法人 計量計画研究所 理事/研究本部企画戦略部長
近藤 洋祐       株式会社電脳交通 代表取締役社長/徳島大学客員教授
村瀨 茂高       WILLER株式会社 代表取締役
鈴木 大健       国土交通省 四国地方整備局 道路部 道路計画課・課長 

対話セッション

8つのセッションで114編の論文が発表されました。

12月10日(木) 11:30-12:30

12月10日(木) 13:30-14:30

12月11日(金) 11:30-12:30

12月11日(金) 13:30-14:30

ベストポスター賞

以下8編がモデレータの選考によりベストポスター賞に選ばれました。おめでとうございます。

ETC2.0プローブ情報を活用した滞留長の算定手法に関する研究

○村野祐太郎(国土技術政策総合研究所), 松田奈緒子(国土技術研究センター), 里内俊介(国交省総合政策局), 松岡禎典, 横地和彦(国土技術政策総合研究所), 田名部淳, 前川友宏, 橋本申(地域未来研究所)

論文 PPT

 

●授賞理由

ETC2.0プローブ情報を用いて、常時観測可能な滞留長の算定手法を考案したもので、複数の手法について、滞留長の実測結果と比較することで、最も精度高い手法を提案したものである。これまで車両感知器等の点データでは計測が難しく、現地調査が必要であった滞留長について、プローブ情報を活用することで常時計測を可能とした本研究の有用性・実用性は高いと評価される。また、ポスターの構成、発表についても分かりやすく的確であった。

静岡市におけるMaaS実証実験のアプリ利用履歴データ分析
○西田遼(東北大学), 金森亮(名古屋大学), 野田五十樹(産業技術総合研究所)

論文 PPT

 

●授賞理由
本発表は静岡市で実施したMaaS実証実験におけるアプリ利用履歴データを用い、新しい交通手段であるオンデマンド型を含めた交通手段選択モデルを構築したものである。従来はSP調査に基づくものが多かったものの、実際の行動データに基づいてモデル構築を行っている点で新規性・有用性の高い論文であると言える。発表資料も必要十分な情報が簡潔にまとめられており、優秀賞にふさわしいと判断し、選定した。

オークションを用いたクラウド・ソーシング配送システム
渡邊大樹, ○武田翼, 赤松隆(東北大学)

論文 PPT

 

●授賞理由
クラウドソーシング・デリバリー問題という,一般に計算高価なマッチング問題の解決のために,オークションの概念を導入した計算効率的マッチングを行う手法を提案しており,「新システム」セッションのポスター発表賞にふさわしい。

愛知県の交通事故データを利用した地図画像からの事故種別の分類
○向直人(椙山女学園大学), 内種岳詞(愛知工業大学), 岩田員典(愛知大学), 伊藤暢浩(愛知工業大学)

論文 PPT

 

●授賞理由
畳み込みニューラルネットワークを用いて,愛知県の交通事故データに収録されている交差点形状から事故種別ごとの事故発生確率を推定するアイデアは独創的である。この研究成果を用いることで,交通事故削減対策に貢献できることが期待される。

Graph Convolutional Networks を用いた阪神高速道路における交通渋滞発生予測
○寺前智文(阪神高速技研), 向井梨紗, 西海能史(阪神高速道路), 鈴木健太郎, 小島悠紀子(阪神高速技研), 廣田敦士, 幡山五郎, 影本義明, 櫻木伸也, 阿部敦(オムロンソーシアルソリューションズ)

論文 PPT

 

●授賞理由

交通分野で得られる膨大な観測データに対して機械学習技術を適用する研究が数多く行われている。本研究では,機械学習の一手法であるCNNモデルの課題を踏まえ,高速道路網のネットワーク構造を考慮可能なGCNモデルに発展させることによって交通状態の予測精度の向上をもたらしており,分析対象に適した手法の模索を継続している点も評価できる。また,発表動画もコンパクトでありながらポイントを押さえた分かりやすい構成・説明であった。

通信における電波環境マップを用いた隠れ端末問題を考慮したパケット到達率補正手法の検討
○上田有由夢, 藤井威生(電気通信大学)

アブストラクト PPT

※ シンポジウム連動論文としてInternational Journal of ITS Researchに投稿されたため、ジャーナルとの二重掲載を避けるため、本論文はアブストラクトのみ記載します

 

●授賞理由
信頼性のある車車間通信を行うために,パケット衝突を考慮した補正によるパケット到達率のマップを作成する手法を提案し、シミュレーションを通じて、その有効性を評価した研究である。
車車間通信を実現する重要な技術を扱っており、学術的意義もあり、明瞭な発表を行っていたことから、ポスター賞に値すると判断した。

交差点運転行動に基づいた焦り運転検知手法の検討
○王タンニー, 閑絵里子, 塚本哲也, 岡部浩史(オムロンソーシアルソリューションズ), 廣嶋衛大, 多田昌裕(近畿大学)

論文 PPT

 

●授賞理由
「焦り」が招く危険な運転に焦点を当ててセンシング法を研究しており、研究の価値が明確である。ドライバの安全確認行動を捉える画像処理車載器や車速を指標に用いていることや、提案手法の性能評価を実施していることから、実現に向けたシナリオが分かりやすい。ともすると難しい内容であるが、図解と具体的数値を上手に使って的確でわかりやすい説明が行われていた。研究課題はまだ多いが、当研究の今後の発展を期待してベストポスター賞に選定した。

エッジデバイスによるリアルタイム路上駐停車判定・可視化システム
○松田明大, 松井智一 松田裕貴, 諏訪博彦, 安本慶一(奈良先端科学技術大学院大学)

論文 PPT

 

●授賞理由
道路の走行・安全環境を阻害する一大要因である路上駐車問題に対して取締の省力化を図る目的で、複数車両のドラレコから大量に入手可能な撮影画像からリアルタイムに路上駐車車両を検出し、位置情報をGIS上に可視化するシステムを提案している。処理速度や可視化の観点からの有用性が高く、データの取得可能性の面からも将来性を有する。また利用者ニーズを踏まえたシステム設計を行っている点からも今後の展開が期待できる。さらに、ポスター構成や説明の分かりやすさ、質疑応答も的確であった点も高く評価した。

 

閉会式

12月11日(金) 16:30-17:00

プログラム委員長総評          吉井 稔雄   愛媛大学 大学院理工学研究科 教授
ベストポスター賞受賞論文発表

次期プログラム委員長挨拶    倉内 文孝   岐阜大学 工学部社会基盤工学科 教授

バンケット

コロナ禍の状況にあり、実施は断念しました。