ファースト・ステージ -実用化の促進-
日本のITS分野の研究開発は、1970年代の初めから始まった。当初はITSといった用語もなかったが、1995年横浜の第2回世界会議を機に、日本人の研究者からITSという用語が提唱され、世界共通の用語として定着した。
1996年7月に策定された「ITS推進に関する全体構想」(以下、「ITS全体構想」)により、関係省庁の動きが一本化された。これ以降をITS推進のファーストステージとして、開発9分野、21の利用サービスを設定し、開発・実用化・普及のロードマップが策定され、産官学民協力のもと国家プロジェクトとして推進されるようになった。この中で、カーナビ、VICS、ETC、ASV等、ITS個別要素技術の研究開発が推進され、これらはカーナビ市場の成長とともに日本のITSの成功事例として世界に知られている。ほかにも、信号制御や道路防災などの道路交通管理分野、またバスロケーションシステムやPTPS等の公共交通分野、さらには携帯電話を使ったテレマティクスサービス分野等様々な分野で、着実な展開・実用化が進んだ。