ITSチャレンジ2015ワークショップ(2016年1月26日開催)
「ITSチャレンジ2015ワークショップ」開催結果
~オープンデータとSNSが地域の交通課題、地域活性化にどう活用できるか~
ITSチャレンジ2015 第2回ワークショップの開催概要
日 時:2016年1月26日(火)
15:00~17:30 ワークショップ
17:30~19:00 名刺交換会(懇親会)
場 所:ITS Japan 会議室(日本女子会館ビル3F)
テーマ:オープンデータとSNSが地域の交通課題、地域活性化にどう活用できるか?
講演者:
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授・主任研究員 庄司 昌彦 氏
オープンデータとSNSは地域の交通課題、地域活性化にどう活用できるか?
NPO法人コミュニティリンク 理事 榊原 貴倫 氏
兵庫での取組み
株式会社パドラック 代表取締役 杉本 等 氏
民産官のオープンデータで地域課題を解決しよう~高齢者福祉向けマップ~
ディスカッション:
3名の講演者と参加者を交えて講演内容を中心としたQ&A、ディスカッションを実施した後、名刺交換会(懇親会)で意見交換を行いました。
講演者プレゼン概要
1)国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授・主任研究員 庄司 昌彦 氏
海外/国内のオープンデータ利活用の最新動向を紹介していただき、これからの地域社会の考察と活性化へのコミュニケーションの重要性を講演して頂きました。
オープンデータは、“自由でオープン”な資源だからこそ、地域ごとの主体性が発揮できる。また、オープンデータ、オープンソースとすることで、他の地域への展開、改良、新たなアイデアによる機能追加が容易になる。今後の地域社会は、単身世帯の増加、高齢化の進展、人口減少(過疎化)の進展により、町内会や地域の組織・団体も機能不全に陥るかも知れない。また、地域社会の諸課題を自ら解決する能力や活力が低下し、新しい物事への危険・不安感の増加によって、「高齢者たちが寂しく暮らす社会」化が進むかも知れない。今後の縮小社会では、活発な小集団活動が地域社会の力になる。さまざまな協調行動・中間集団の再形成や活性化(人をつなぐ、つなぎ直すこと)が必要である。
2)NPO法人コミュニティリンク 理事 榊原 貴倫 氏
NPO法人コミュニティリンクの榊原氏より、兵庫県と神戸市でのまちづくりNPOとしての活動を中心に、講演していただきました。
兵庫県のオープンデータ事業への取組みをきっかけに、Code for HYOGOを立ち上げ、オープンデータ推進に係るワークショップ、アイデァソン・ハッカソンなど各種イベントを主催してきた。(Code for KOBEも立上げ)また、シビックテックを中心に兵庫県のオープンガバナンスを支援し、兵庫への移住・起業の促進を進めている。
3)株式会社パドラック 代表取締役 杉本 等 氏
静岡県湖西市でオープンデータ活用による住みよいまちづくりを推進する株式会社パドラックの杉本氏より、『民産官のオープンデータで地域課題を解決しよう~高齢者福祉向けマップ~』について、講演していただきました。
オープンデータ浜名湖での取組みでは、市役所職員の外国人からの問合わせ集中における負担軽減アプリや、バス・電車の交通情報、イベント情報、避難地/避難所情報(災害時)を一元化するオールマイティオープンマップ、浜名湖ロードバイクアイディアソンなどの事例が紹介された。地域の高齢者への取組みとして、病院、介護施設等を出て地域に戻ったお年寄りが、多様な社会資源を活用して、在宅での生活を継続していけるための情報が今までなかった事から、多様な関係者との協働による、地域のニーズと情報を結びつける具体的な第一歩として「地域のチカラをマップ 高齢者版」を作成した。
主なディスカッション
3名の講演者、参加者を交えて講演内容を中心としたQ&A、ディスカッションを実施した後、名刺交換会(懇親会)で意見交換を行いました。参加者、講演者の主なディスカッション視点は以下のとおりです。
1)行政のオープンデータ推進の課題
・オープン化に対してなかなか理解されない自治体があるが、他自治体でも、国でもやっている
ことを説明していくしかない
・自治体内では、データを出すにあたって、壁の論破が必要でオープンマインドを持って一緒に
答え考えること
2)コミュニティの活性化へのポイント
・長続きするコミュニティは、クラスタ構造(多極構造)で、それぞれがつながっている
・おせっかいとご厄介で人をつなぐ、組織をつなぐ、組織の間の溝を見える化する
3)地域での移動に資するシェアリング
・地域のカーシェアは、持ちつ持たれつの関係、お互い様で成立する可能性もある
・クルマの稼働状況を徹底的に見える化したらどうか、判ればできる事を柔軟に探す事ができる