第12回ITSシンポジウム2014 プログラム

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基調講演

 「4次元仮想化都市空間とITS
池内 克史 東京大学大学院 情報学環 教授

本講演では、現実世界をクラウドコンピュータ上に表現する仮想化空間とその応用について概説する。仮想化には、建物などの静的な情報を仮想化することと人や車の動きを表現する動的な情報の仮想化の2種類がある。これらの手法を解説するとともに、これらがどうITSに役に立つのかを考える。この際、現在の状況だけでなく、過去や未来の像をも生成することで応用範囲が格段に広がることについても言及する。

企画セッション 

企画セッション1-1  「災害とITS」
東日本大震災を初めとする災害は当該地域のみならず、広く全国に影響を及ぼすため、影響を軽減可能なシステム構築が求められている。本セッションでは、まず、これら災害においてどのような問題が生じていたか、過去の災害を振り返り整理する。そして、こうした災害からの被害軽減方策を示した上で、ITSはこれら方策に対してどのように位置づけられるか、方策導入における課題についてなど議論する。

モデレータ:
奥村 誠        東北大学 災害科学国際研究所 教授

パネリスト:
木我 茂        国土交通省 東北地方整備局道路部 道路情報管理官
太田 恒平    株式会社ナビタイムジャパン 交通コンサルティング事業 チーフエンジニア
太田 喜元    ソフトバンクモバイル株式会社 研究本部無線システム研究部無線アクセス機器研究課 課長
松野 文俊    京都大学大学院 工学研究科機械理工学専攻 教授

 

(市民公開セッション)
企画セッション2-1 「東北地域における次世代自動車産業の振興・創造・展望」
現在、東北地域においては,中京,九州に続き,国内自動車産業の第3の拠点となるべく産官学連携での活発な取組が進められている。そのような中、高齢化・過疎化、震災復興、積雪・寒冷地等は、この地域における特性であり課題であるが、一方で国内外に広く共通性を有しており、これらを解決しグローバルに展開できる東北発モビリティの可能性について,各界識者より方策・展望について議論する。

モデレータ:
長谷川 史彦      東北大学 未来科学技術共同研究センター 副センター長・教授

パネリスト:
工藤 治夫          工藤電機株式会社 取締役会長
山本 憲一          石巻専修大学 理工学部機械工学科 教授
柴田 義孝          岩手県立大学 理事・副学長
岩瀬 恵一          経済産業省 東北経済産業局 地域経済部 部長
川村 洋一          トヨタ自動車東日本株式会社 技術センター東北
                           開発企画部 先行開発1G GM(部長格) 兼 生技管理部 主査

 

企画セッション2-2 「ビッグイベントとITS」
ビックイベント開催時における交通の制御は,かねてより大きな問題である.今後は,ITS技術によって,より効率的な交通制御を行うことが期待されている.パネリストより,過去のビックイベントにおける経験を紹介して頂き,今後のビックイベントにおける交通において,ITSが果たすべき役割を議論する.

モデレータ:
花井 利通          特定非営利活動法人ITS Japan常務理事

パネリスト:
吉崎 昭彦          東北菅区警察局 宮城県情報通信部長
渡辺 央              国土交通省東北地方整備局 湯沢河川国道事務所 調査第二課 課長
葛巻 清吾          トヨタ自動車株式会社 CSTO (Chief Safety Technology Officer) 補佐
天野 肇              特定非営利活動法人ITS Japan専務理事

 

対話セッション (ポスターによる対話型セッション)

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詳細はプログラムをご覧ください。

 ●優秀論文賞
優秀論文賞は下記の2編に決定いたしました。おめでとうございます。

2-1A-02* 一般道路ネットワークへの適用に向けた Stochastic Cell Transmission Modelの改良

徳田渉(名古屋工業大学)、金森亮(名古屋大学)、伊藤孝行(名古屋工業大学)

 
道路交通の需要と供給双方の不確実性を考慮できるシミュレーション(SCTM)を
ベースに、複数のODペアの存在やOD間の経路選択を明示的に考慮できるよう
改良を試みたことに特徴があり、学術的および社会的な意義が極めて大きい。

2-2B-01* Intelligent Speed Adaptationが高齢運転者の走行挙動と心的負荷に与える影響

三村泰広(豊田都市交通研究所)、尾林史章(愛知工科大学)、
小野剛史(中央復建コンサルタンツ)、中谷周平(トヨキン)、
安藤良輔(豊田都市交通研究所)、小塚一宏、小沢愼治(愛知工科大学)

今後における車両側からの速度制御の際、ドライバーが受ける心的負荷を
考える必要性に着目し、これを瞳孔径から具体的に検証しており、
この独自性、社会的意義は極めて高い。

●ベストポスター賞

1-1A-10 車線規制解放時における交通容量不出現に関する研究
○山下浩行(パシフィックコンサルタンツ)
割田博(首都高速道路)、船岡直樹、田村勇二、稲富貴久(パシフィックコンサルタンツ)

車線規制解放時に見られる交通容量の低下現象に対して、原因をさまざまな観点から検証したことに加え、積極的な議論を通じて新しい方向性を見出そうとしている。

1-1B-01*

視界支援用の車載カメラとして使用される魚眼カメラ画像列を用いた超解像の提案
○高野照久(東京大学)
松下侑暉(鹿児島大学)、小野晋太郎(東京大学)、川崎洋(鹿児島大学)、池内克史(東京大学)

急速に自動車への搭載が広がっている車載カメラによるデータ取得の範囲を超解像手法により拡張するものであり、大量に蓄積される画像データの新たな利用による利便性向上や社会への貢献が期待できる。

1-1C-01*

スマートフォンの所持形態を考慮した二輪車・四輪車の車種判別に関する研究
○西内裕晶(長岡技術科学大学)、
塩見康博(立命館大学)、吉井稔雄(愛媛大学)

スマートフォンのセンサ情報を融合的に用いることによる四輪と二輪の車種判別方法を提案している。簡潔にまとめられたポスター、ならびに比較的大規模な実証実験により、独創性とその有用性が示されていた。

1-2A-06

プローブ車両軌跡データのみを用いた交通の量的把握
○和田健太郎(東京大学)
小林桂子(オリエンタルコンサルタンツ)、桑原雅夫(東北大学)

プローブデータのみから交通流と交通挙動をより詳細に再現しようとしている点が評価される。将来、交通計画、交通制御で活用されることが期待されるテーマである。

1-2B-03

認知ディストラクションがジレンマゾーンにおけるドライバ停止挙動に及ぼす影響に関する研究
○鈴木祐太郎(北海道大学)
萩原亨(北海道大学)、橋本敏宏、岩佐達也、妹尾俊明(本田技術研究所)

認知ディストラクションが交差点での停止挙動におよぼす影響について、統計手法を用いて論理的に結論を導いている。成果の応用についてのビジョンも明確である。

1-2C-05 吹雪視程がドライバーに与える影響について
○益田卓朗(本田技研工業)

予測を組み込んだ情報提供サービスはリスクもあるが、ユーザが期待しているサービスである。

2-1A-09 MMSを活用した交差点の見通しの定量解析と交通事故への影響の考察
○佐々木光明(アジア航測)
桑原雅夫(東北大学)、小野晋太郎(東京大学)、浦山利博(アジア航測)、松本学(コミュニケーション・プランニング)、森一夫(アジア航測)、池内克史、大口敬、大石岳史(東京大学)、尾崎朋子(アジア航測)

モバイルマッピングシステムという新しい技術を活用した先進性がある。また事故データも今後進展することが見込まれるため、それらとの融合による可能性がある。

2-1B-05

市販乗用車を用いたインフラ誘導型自動運転システムの開発
○大前学
岡田成弘、佐藤周也、久松尭史、松下寛治(慶應義塾大学)

通常車両をインフラ側から無線通信により制御することで、ローコストに自動運転を実現するコンセプトを提案すると同時に、実際に実車を改造して自動運転を実現する高いレベルの研究を行っている。

2-1C-01*

観光地域と観光客をつなぐ道路交通情報の提供
○田波岳彦(公益財団法人日本道路交通情報センター)
杉田正俊(公益財団法人日本道路交通情報センター)

観光地域と一体となった取り組みを行っている点、既存の仕組みを活用している点、実際に観光客の行動変容を確認した点が評価され、観光振興への貢献が期待される。

2-2A-01*

電子料金収受システム向け車両・車軸検知レーザーセンサーの開発
○今城勝治(三菱電機)
小竹論季、亀山俊平、川上英哲、白金直徒、吉永秀雄、平野嘉仁(三菱電機)、保坂正彦(東日本高速道路)

電子料金収受システム向け車両、車軸検知レーザーセンサーを開発し、全天候条件における評価試験の結果、車両検知100%、車軸検知99.99%の高精度が実現されている。また、非常にわかりやすいポスターと説明および質疑応答によって、研究内容が明瞭に表現されていた。

2-2B-04

生体磁気刺激によるドライバ覚醒手法の実用化に関する検討
○川口雅人(名城大学)
小島茂也、毛利佳之、中野倫明、山田宗男(名城大学)、毛利佳年雄(名古屋産業科学研究所)

説明と記載内容がリンクして非常にわかりやすい。ITSの視点からも、実用化を視野により商品に近い形での検討をされており、商品化、実用化に向けて検討を加速していただきたい研究である。

2-2C-05 環境に配慮した効率的な交通行動への変容を促す生活活動情報フィードバックシステムの開発
○小野晋太郎(東京大学)
池内克史、大口敬(東京大学)、桑原雅夫(東北大学)、上條俊介、大石岳史、小出公平(東京大学)、堀口良太、花房比佐友、飯島護久(アイ・トランスポート・ラボ)、吉村方男、亀田佳靖、森一夫(アジア航測)、田中淳、松沼毅、後藤秀典(オリエンタルコンサルタンツ)、長谷川雅人、須田昌仁(国際情報ネット)、佐々木卓、萬沙織(長大)、市川博一、光安皓、田村勇二、大島大輔、山下浩行(パシフィックコンサルタンツ)、佐々木政秀(柏市役所)

地域交通状況によるCO2排出状況をわかりやすく加工・可視化してウェブ配信する仕組みを構築した。柏市での社会実験の結果、市民の行動を変容することになり、CO2排出量を8%削減する見込みを得たことが評価された。

バンケット

12月4日(木)のプログラム後に開催いたしました。

会場: キッチンテラス クルール (シンポジウム会場より徒歩5分)
           宮城県仙台市青葉区川内41 東北大学川内北キャンパス 厚生会館内